以下は、記事の抜粋です。
これまで60歳あたりからと考えられてきた認知能力の低下は、45歳から始まる可能性があることが、英仏の研究チームが1月6日のBritish Medical Journalに発表した論文で明らかにされた。
フランスの疫学公衆衛生研究センターとロンドン大学ユニバーシティー・カレッジの研究チームは、1997年からの10年間で男性5198人と女性2192人を対象に研究を行った。対象者はロンドンに住む45歳から70歳の公務員有志で、記憶力、語彙力、聴覚的・視覚的理解力のテストを10年間で3回受けた。
疫学公衆衛生研究センターのArchana Singh-Manoux氏の研究チームはこの論文で、「認知力の低下は中年からすでに明白に現れる」と述べた。この研究で中年は45~49歳と定義された。
さらに研究チームは、平均寿命が長くなるにつれ多くの国が高齢者の「指数関数的な増加」に直面すると指摘し、「こうした変化が個人の生活や社会全体に与える影響は大きいと考えられる。認知能力の低下は、老年期の心身の障害の原因として最大のものかもしれない」と指摘している。
元論文のタイトルは、”Timing of onset of cognitive decline: results from Whitehall II prospective cohort study”です(論文をみる)。
下の図にあるように、調べた項目は、Reasoning(論理的思考力)、Memory(記憶力)、phonemic fluency(一定時間の中で特定の文字、例えば”P”で始まる単語をできるだけたくさんあげる能力、前頭葉機能と関連するといわれています)、semantic fluency(一定の時間の中で特定のカテゴリーに属するもの、例えば「果物」に属する単語をできるだけたくさんあげる能力、側頭頭頂葉機能と関連するといわれています)、vocabulary(語彙)の5つです。記事の記載とは少し違います。
45歳で認知能力の低下が始まるというのは衝撃的ですが、いろいろな認知能力の中でもReasoning(論理的思考力)が、加齢によって著明に低下することに驚きました。記憶力の低下よりもはるかに大きな低下を示しています。若い時に偉かった先生が、後年xxx長になってムチャクチャなことを言ったり、やったりした場合、論理的思考力が低下した可能性が高いということが良くわかりました。気をつけましょう。
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