新型コロナワクチン接種者1,774名のほぼ全員で抗体価上昇― 免疫抑制治療、年齢や性別、飲酒、接種間隔などが影響―
千葉大学病院が行った国内では最大規模の臨床試験結果です。以下は、抜粋です。
千葉大学病院は、新型コロナワクチン(ファイザー社製)を接種した当院職員の抗体価を調べたところ、1,774名のうち1,773名、ほぼ全員に抗体価の上昇がみられ、ワクチンが有効であることを確認しました。ワクチンに対する抗体反応を調べる研究としては、これまでで最大規模です。
年齢、性別、飲酒頻度、1回目と2回目の接種間隔などの因子と抗体価との関連についても明らかとなりました。本研究結果はプレプリントサーバーのmedRxivに6月2日に登録し、近々公開の予定です。当院では今後、ワクチンの抗体価と副反応の関連など、さらに研究を深めてまいります。
【研究の概要】
研究名:「COVID-19ワクチンに対する免疫応答を規定する機構の解明」
実施者:千葉大学病院コロナワクチンセンター(千葉大学病院と千葉大学医学研究院が連携)
対 象:新型コロナワクチン(ファイザー社製)を接種し、研究協力した当院職員
・ 1回目接種の前に採血・唾液採取‥2,015名 (男性 719名、女性1,296名、21才~72才)
・ 2回目接種の後に採血・唾液採取‥1,774名 (男性 606名、女性1,168名、21才~72才)
方 法:新型コロナウイルスに対する抗体価を測定し、人口統計学的要因との関連も調査。
※今回発表するのは採血検体の解析結果です。唾液検体に関する解析は現在実施中です。
【研究成果のポイント】
ワクチン接種前の段階で、抗体が陽性だったのは、21名(1.1%)。
2回目接種後、抗体が陽性となったのは1,774名中1,773名(99.9%)。
抗体価は、接種前の中央値が<0.4 U/mL(多くが全く抗体がない状態)に対し、接種後の中央値は2,060 U/mLと大幅に上昇。(右図)
【今後の展望】
現在、ワクチンによる副反応と抗体反応がどのように関連するのかについて、解析を進めています。さらに、今回研究に協力した当院職員には、1年後COVID-19にかかったかの調査を予定しています。
ワクチンを打っても抗体ができなかったヒトについてもう少し詳しく調べる必要があると思います。また、初めから抗体を持っていたヒトに感染の自覚があったかどうかも知りたいと思いました。
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