メキシコ、人材派遣を原則禁止に
以下は、記事の抜粋です。
メキシコ連邦議会上院は4月20日、労働法や社会保険法などの改定案を可決した。下院は13日に通過しており、人材派遣が原則禁止となる法案が成立した。政府は人材派遣が税金逃れに加え、福利厚生の提供が不十分になると判断していた。自動車関連を中心に工場を構える日本企業にも影響が出そうだ。
大統領の署名を経て公布される見通し。人材派遣会社が正式に雇用した労働者について、他社の事務所や工場で働く形式は原則として禁止となる。派遣先企業の本業ではない、社内の清掃作業などに従事する人材の派遣は引き続き認められる。
政府は人材派遣を巡り、法律が定める福利厚生や社会保険が提供されていないことを問題視してきた。民間企業は毎年12月に働いている労働者に冬季一時金を支払う必要がある。人材派遣会社を経由すると解雇しやすいため、年末の解雇増の要因になっているとされる。
与党の上院代表リカルド・モンレアル議員は「人材派遣の過度な利用で、労働者の権利や経済活動が侵されている」と指摘した。
民間経済団体はコスト増になるために強く反対してきた。メキシコ人材企業協会は、460万人の派遣労働者のうち「派遣先企業の正規雇用になるのは30%にとどまり、10%が失業し、60%は非合法な就労になる」と指摘している。
政府は当初は2月までの議会通過を目指してきたが、経済団体の反発を受け、労働者利益分配金に関する条項を修正するなどの対応をとった。
政府が2020年11月に公表した資料によると、政府は4709回の査察を実施し、約1200社で違法な人材派遣が確認された。86万2489人の労働者に悪影響が及んだと報告した。
以下は、この記事に対するはてなブックマークでのコメントです。生の声だと思います。
● “政府は4709回の査察を実施し、約1200社で違法な人材派遣が確認された”←日本もこの位本気で査察&是正してほしい。さも当然のように違法なことする派遣会社多すぎ。抜本的な派遣規制は必要。
●素晴らしい。本邦も追随すべきだが、これは自民党政権には絶対に望むべくもないことの一つ。派遣自由化以降何が起きたか考えれば当然やるべき施策。
●日本も原則禁止すべき。本当に一時的欠員のためとかなら必要だが、常用は禁止すべき。
●短期的にはコスト増でも長期的な成長力増加という点では正解なのでは?最近の企業経営者って労働者が消費者であり次世代の生産者であることを忘れてると感じる。
●過激かもしれんけど、業界の自主規制が機能してないことを査察で確認してその上での規制だから、まあええのと違うかな。
大学院の修士課程を修了した学生のかなりの部分が人材派遣会社に就職し、「研究職」としていろいろな企業に派遣されて働いていましたが、初めからそのような形(人材派遣)を希望する学生は一人もいませんでした。
上のコメントにもありますが、人材派遣常用の禁止は短期的にはコスト増でも長期的な成長力増加につながることを企業も政府も考えないと、日本の企業の競争力はどんどん落ちて行くと思います。
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