ヤフー知恵袋カンニング事件については、マスコミも含めて多くの意見が発信されました。私はその中で、大阪芸大の純丘さんがアゴラへ投稿した記事が一番印象に残りました。以下は、記事の抜粋です。
試験のカンニングは、じつは、へたに摘発すると、その始末がものすごく面倒くさい。「机間巡歩」して、試験監督が直接に「現認」しても、あくまで「推定無罪」だから、証拠を押さえなければならない。ところが、それが携帯電話となると、「プライヴァシー」がどうのこうまで絡んできて、試験監督がその場でそれを没収できるのか、「無罪証明」をさせるために、そのログの開示を要求できるのか、と、混ぜっ返す教員がかならずいる。それで、大学は、いきなり腰が引けてしまう。現に、ある大学では、学部長が証拠無しの摘発として試験監督の方を叱責して、学生に謝罪させ、カンニングを無かったことにしてしまった、なんていう、むちゃくちゃな話も流れている。
今回の受験生は、まぬけにも、だれでも見られる掲示板なんかに質問したから、すぐに発覚した。しかし、ちかごろは、卒論まで、代筆します、なんていう業社がいるくらいだから、ほかの学生、ほかの大学にも、携帯を使ったカンニングが無かったなどとは、容易には思えない。
私は、この記事の他の主張、「いまどき、まともな大学、まともな教員なら、あんな百年一日の情報を問う問題ではなく、もっとまともな学問らしい問題の出し方を工夫するはずだ。」などには100%同意できるわけではないのですが、カンニングの摘発に伴っておこり得る面倒な問題の指摘には拍手を送りたいと思います。
一般の方には理解できないかもしれませんが、上の抜粋部分のような事情を受けて、試験を監督している教員の頭の中には「摘発したくない」という意識が強くあると思います。世間では、京大の試験監督者がサボっていたから気付かなかったという見方もあるようですが、カンニングあるいはその気配に気付いた教員もいた可能性もあると思います。
私自身もカンニングを摘発したくありませんが、カンニングを許すことはできません。そのため、できるだけカンニングができないような状況を作ることに努力しています。過去問は出題しない、監督人数をできるだけ確保する、試験前には強く警告する、前には立たずに後ろに立つ、などなどです。あくまで、公平性を保ちたいという気持ちでやっていますので、学生の皆様にはご理解をお願い致します。
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コメント
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tak先生。
おはようございます。
ま、以前の核燃料工場のような被爆ははなさそうですね。
でも海水注入したら炉はお終い、修復より新設の方が安上がり。
こっちは今日から計画停電です、でも23区はやらない、不公平そうだが首都機能麻痺は尚損失、仕方ないですね、当分続きそう。
taniyan