以下は、記事の抜粋です。
日本の大学生の就職内定率は2月1日時点で81.7%、これは分母が就職希望者。全大学生を分母にすると60%台前半まで落ち込みます。一方、日経新聞の特集には韓国や中国でその就職率の悪さが取り上げられています。ソウル大学を出ても3人に2人しか就職が出来ないという記事には衝撃すら感じます。
さて、韓国の大学生の就職率は、このところずっと50-60%台(分母は全大学生)ですが、この数字には非正規雇用や店先の店員も入っており、本当の意味での正社員は30%程度とされています。理由は会社が少ないからとされています。結果として給与は極端に安く、場合により時給360円の仕事に甘んじることもあるのです。
中国でも事情は同じで新卒の就職率は8割程度とされています。おまけに定着率も悪いし、コネ社会ですからいわゆる庶民には家を買うのは不可能に近いということになりそうです。では日本の今後は安泰なのでしょうか?
日本の企業はTPPによってより国際化していくでしょう。そしてその際に日本人より優秀で安い賃金で確保できる外国人の採用が増えていくはずです。よって、日本の比較的高い就職率は長期的には下がってくるとみた方が正解だと思っています。
また、大学生の質の問題もあるかと思います。つまり、就職難が如何にも企業側や日本経済に原因があるという報道が目に付きますが、そうではなくて、大学生が増えたという事実の方が主因ではないでしょうか?
スペインでは若者の失業率が5割を超えています。就職口を見つけるためにスペイン語の通じるメキシコや南アメリカ諸国に出て行く若者も多いとされています。スペインの若者はスペイン語圏に脱出する方法がありますが日本人は言語に限っていえば日本だけしかいくところがありません。
そういう観点からは日本の失業対策は問題が顕在化する前に行っておくべきかと思います。自己研磨し、専門性や知識を高めるアシストなどは長期構造改革の一案ではないでしょうか?
私はこれまで漠然と、日本は少子化なのでそれほどひどい就職難にはならないのだろうと考えていました。中国は人が多いので就職難なのだろうと。しかし、この記事を読んで、これまで考えていたことが誤りであることがわかりました。
韓国と同様、日本でも大学生の数に比べて会社の数がはるかに多いわけではなく、TPPに参加してもしなくても大企業は市場や工場をドンドン海外に展開していくでしょう。グローバル化は大企業にとって死活問題ですので、記事のように相対的に外国人の採用が増えて日本人の採用が落ちるのは自然の成り行きだと思われます。
問題は、企業の動きも外国の学生の意識もグローバル化している時に、日本の学生の意識が内向きであることだと思います。本当に日本人が優れているのであれば、日本車のように世界中に進出できるはずです。英語とそれぞれの国の言葉をマスターしてグローバルに生きる選択肢もあることを意識して欲しいと思います。
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