YouTubeに特ダネを抜かれたマスコミ、尖閣映像告発者は犯罪者ではない
以下は、記事の抜粋です。
尖閣諸島沖で操業していた中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した映像が動画サイト「YouTube」で公開されたことで、告発者を日本のマスコミはあたかも犯罪者のように扱いはじめた。少なくとも、告発者を擁護するような言論は見当たらない。
仮に、どこそこかのマスコミがこの映像を独占入手し、報道していたならば、そのマスコミは胸を張って「特ダネ」だと騒いだろう。
それが、突如として匿名で「YouTube」に流された。マスコミ自らが問題映像を独占的に報道したらジャーナリズム上の「特ダネ」で、それを告発者自身が公開すれば犯罪者扱いになってしまう。
つまり、同じ告発映像でもマスコミが公開すれば「正義」で、告発者が公開すれば「悪」という構図を、マスコミが作りだしているのだ。情報源の秘匿原則をこの映像告発者に援用することさえ考えられないらしい。
なかなかおもしろい議論だと思いました。
以下のブログ記事は、同じ問題を法的に議論しています。
どういう法的根拠でグーグルは尖閣ビデオ流出記録を開示するのだろうか
長文ですので、上の記事と関連する部分だけを紹介します。
もしこの流出先がユーチューブではなく、朝日新聞で公開されたらどうだっただろうか。米国の有名なリーク事件などは、ワシントン・ポストやニューヨークタイムズで公開されてきた。そしてその場合、報道の自由の問題が関わり、情報源の秘匿は前提とされた。
現状のNHK報道などからうかがい知る印象では、ユーチューブつまりその親会社グーグルは報道機関ではないからというのが前提になっているし、暗黙のうちに投稿者はジャーナリストではないことになっている。
現段階では、グーグルは投稿者の情報開示に応じるべきではないと思う。
これら2つの記事をみて、以下の結論に至りました。
今後このような「特ダネ」画像を世の中に公開して権力者を告発したい場合、「告発者」は、自分でYouTubeにアップするのではなく、朝日や読売など複数のマスコミにDVDを郵送するのが良い。
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追加です。
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