[SciCom News] No.317 2009年10月26日号 Vol.1
以下は、休刊に関する記事の抜粋です。
【蛋白質核酸酵素誌休刊の衝撃】 深島守
共立出版から発行されている日本語総説誌「蛋白質核酸酵素」(以下PNE)が、2010年1月号をもって休刊することが明らかになった。すでに関係者には報告済みで、来月号にて休刊が公表されるという。
PNEは、50年以上続く生命科学の総説誌で、掲載された論文がpubmedに登録されるなど、評価も高かった。そんなPNEがなくなってしまう。一番の理由は、広告料の激減だという。近年出版業界を覆う不況が、老舗総説誌に及んだのだ。
ウェブ時代における、一般向けの研究成果公表のあり方を、真剣に議論する時期が来た…PNEの休刊は、いわばショック療法で、私たちにそれを教えているといえる。
同じ日のニュースに、「小学館:「小学五年生」と「小学六年生」今年度で休刊」がありました。両誌は、1922年の小学館創設と同時に創刊されましたが、近年は両誌とも売り上げが低迷していたそうです。やはり、出版業界の不況を反映しているのでしょうか?
深島さんは、ウェブ時代における、一般向けの研究成果公表のあり方を議論する時期が来たと書かれていますが、私も同感です。今後の方向としては、匿名のwikipediaではなく、wikigenesのように、誰が書いたかがわかるようなものが中心になると考えています(wikigenesについてのNature Geneticsの記事はここ)。
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