がん治療薬「キムリア」、保険適用へ 薬価3349万円

がん治療薬「キムリア」、保険適用へ 薬価3349万円

以下は、記事の抜粋です。


中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働相の諮問機関)は5月15日の総会で、ノバルティスが開発したがん治療薬「キムリア」の保険適用を了承した。薬価は3349万円で、米国での価格を下回った。22日から保険が適用される。

キムリアは、免疫反応の司令塔となるT細胞を患者の血液から取り出し、がん細胞を攻撃しやすくなるよう遺伝子を改変した上で体内に戻す「CAR-T細胞療法」と呼ばれる。投与は1回で済む。

米国では、2つの適応症でそれぞれ47万5000ドル(約5200万円)と37万3000ドル(約4100万円)の値が付き、日本での価格にも注目が集まっていた。

キムリアの薬価は過去最高となるが、日本国内での対象患者数はピーク時で年間216人、市場規模は72億円と予測されている。


キムリアは、自分の体から採取したT細胞に、以下の図のような遺伝子操作を加えて、点滴でもう一度自分の体内に戻す1回だけの治療で完結するとされています。2017年に米国で実用化され、欧州でも承認されています。アメリカでは約5000万円です。臨床試験では、難治性の「B細胞性急性リンパ芽球性白血病患者」(ALL)の約8割でがん細胞がなくなったそうです。

「高額療養費制度」が69歳以下で年収が約370万円~770万円の人に適用されたとすると、自己負担は約60万円、残りの約3290万円は公的保険から給付されることになります。

以前にも書きましたが、キムリアの適応対象のように多くても年間で216人ぐらいなら問題ないかもしれませんが、日本が力を入れているiPS細胞による再生治療などが一般化すると、介護も含めた日本の社会保険制度が破綻する可能性がかなり高くなると思います。

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