多発性硬化症治療薬フィンゴリモド

多発性硬化症治療薬フィンゴリモド塩酸塩が日本産業技術大賞 内閣総理大臣賞を受賞
以下は、記事の抜粋です。


三井製糖株式会社は、田辺三菱製薬及び藤多哲朗・京大名誉教授との共同研究により創製した多発性硬化症治療薬フィンゴリモド塩酸塩が、第 48回日本産業技術大賞の最高位である内閣総理大臣賞を 2019 年 4 月 3 日に受賞しました。

1.多発性硬化症治療薬フィンゴリモド塩酸塩とは
多発性硬化症治療薬フィンゴリモド塩酸塩とは、多発性硬化症治療薬であり、スイスのノバルティス社に導入され、現在では「ジレニア」「イムセラ」という製品名で使われています。従来の多発性硬化症の標準治療は注射剤で皮膚が傷つきやすいものでありましたが、フィンゴリモドは経口剤で服用がしやすいという側面でも画期的なものです。

2.受賞に至るまでの経緯
当社は、藤多京大名誉教授のご指導のもと、古来中国で秘薬として用いられてきた冬虫夏草の類縁菌を培養し活性成分の分離精製、本天然物をリードとした化学修飾を行い多発性硬化症治療薬フィンゴリモド塩酸塩の基本構造を創りました。その後、田辺三菱製薬株式会社とノバルティス社が共同で開発を行い、2010年にノバルティス社より、米国を始めとする諸外国において多発性硬化症の治療薬として発売されました。また、日本においては、翌2011年より、田辺三菱製薬とノバルティスファーマより発売されています。

3.日本産業技術大賞とは
日本産業技術大賞とは、日刊工業新聞社が主催し、日本の産業社会の発展に貢献した技術成果を毎年選定し、開発・実用化した企業やグループを表彰しています。

【詳細は下記URLをご参照ください】
三井製糖株式会社  2019年4月12日【PDF】発表
三井製糖株式会社  ホームページ


この薬は、冬虫夏草の頃から知っていました。当時は、新しい免疫抑制薬の候補として注目し、実験で使ったりしていました。まさか、多発性硬化症の治療薬として開発されるとは思いませんでした。とても良かったと思います。

おそらく、ノバルティスの力が無ければ、治療薬として世に出ることはなかったと思います。私自身を含めて、日本の製薬開発力の無さを思い知らされた薬が日本産業技術大賞とは何となく皮肉です。

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