医師20人に聞いた「自分では絶対飲まない薬」 重篤な副作用も
以下は、記事の抜粋です。オセルタミビルのところだけそのまま抜粋しています。
風邪だけでなく、インフルエンザのクスリについても、「飲みたくない」という意見が目立つ。中でも多かったのが、タミフルの名称で知られるオセルタミビルだ。
「飛び降りなどの異常行動が問題になりましたが、実際に患者に投与すると、とくに子供では非常に興奮したような状態になることがあった」(都内クリニック院長)
日本予防医療協会代表理事の金城実医師も、「オセルタミビルは飲みたくない」と話す。
「先日、1歳半になる私の孫がインフルエンザにかかったんです。子供から『病院でクスリを処方されたのだけど、飲ませるべきか』と相談を受けましたが、『水分をきちんとあげて、あったかくして寝ていればいい』とアドバイスしました」
金城医師がオセルタミビルを飲まないのには、副作用のほかにもう一つ理由がある。
「インフルエンザのときに出される抗ウイルス薬(オセルタミビルなど)は、ウイルスを殺すわけではないからです。このクスリの作用は、細胞内で増殖したインフルエンザウイルスが、その細胞から外に出ないようにすること。つまり、すでにウイルスが身体中に増殖してしまっているときに飲んでも意味がないんです。タミフルだけでなく、一般的なインフルエンザ薬は同じ作用のため、初期にしか効きません」
もっと言えば、症状が出てから飲んでも意味がない。それなのに副作用が強いのだから、その事実を知っていたら飲みたいとは思わないだろう。ちなみに金城医師の孫は、クスリを飲まずとも2日後には熱も下がり、元気になったそうだ。
オセルタミビル(タミフル®)の主な副作用は、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの胃腸症状です。記事に書かれている飛び降りなどの異常行動は、ニュースにはなりましたが、きわめて特異なケースで 因果関係ははっきりしていません。このため、「子供や未成年の若い人は要注意」とされています。
この医師の孫というのは、「1歳半」ということなので、少なくとも「異常行動」心配する必要はないはずです。もちろん、症状が軽いので投与の必要がないという判断をすることに問題はないと思いますが、「異常行動」がこわいので「1歳半」の子供に投与しないというのは間が抜けています。
また、彼があげている「もう一つの理由」というのも笑えます。「インフルエンザのときに出される抗ウイルス薬(オセルタミビルなど)は、ウイルスを殺すわけではないからです。」と言っているそうですが、「ウイルスを殺す」抗ウイルス薬などありません。ウイルスの増殖を抑制するか、ウイルスの細胞への侵入や放出を抑制するようなものばかりです。
かわいそうなのは、彼が「初期にしか効きません」と言っているのに、記者がわざわざ「症状が出てから飲んでも意味がない」と書き換えています。しかし、症状発現後48時間以内であれば効果があることは広く認められていますし、全症状緩和までの罹病期間を短縮するという報告もあります。
この医師は、高熱などの激しい症状が出て簡易インフルエンザ検査で陽性になっても、本当にオセルタミビル(タミフル®)その他のノイラミニダーゼ阻害薬を処方しないのでしょうか?私は処方する方向で患者さんに接しますし、自分の場合でも飲みます。
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