短足は遺伝子のせい 19犬種に共通、米チーム発見
ダックスフント(dachshund)など短足のイヌの遺伝的背景が明らかになりました。穴熊を狩猟するために、自然に足が短くなったのではありませんでした。以下は記事の抜粋です。
ダックスフントやコーギーなどの犬種で脚を短くすることに関係している遺伝子を、米国の研究チームが見つけた。米科学誌サイエンス(電子版)で発表した(サイエンスのアブストラクトをみる)。
犬はひとつの種なのに体格など形態の違いが大きいのが特徴。チームはこうした犬の形態の特徴と遺伝子との関係を調べようと、ダックスフントなどの短足犬種8種と、短足でない犬種64種で、DNA の塩基配列のわずかな差(SNP)を分析した。
すると「線維芽細胞成長因子4 (FGF4)」というたんぱく質をつくる遺伝子の配列が重複する変異が、短足犬種だけで認められた。少なくとも19の短足犬種に同様の変異を確認した。
短足犬を作ったのは動く遺伝子だった!に詳しい説明があります。説明によると「余分なFGF4遺伝子」にはイントロンがなく、「動く遺伝子」レトロトランスポゾンの中にみつかったそうです。
バーバラ・マクリントック(Barbara McClintock)氏は、トウモロコシの遺伝を研究し、メンデルの法則に従わない「動く遺伝子」を発見しました。遺伝子コードやDNAの二重ラセン構造が発見される以前です。学会に認められず、有名雑誌の論文もありませんでしたが、発見から30年以上経った1983年にノーベル賞を受賞しました(ノーベル賞のサイトをみる)。
成長因子の過剰発現によって、骨が長く伸びる前に骨化が進んでしまう結果、短足になるということのようです。子供の頃からの謎が1つ解けました。
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