腸内細菌ならぬ「脳内細菌」が発見される! 研究者も唖然、ヒトの脳は無菌状態ではなかった!!
記事の内容は、11月の全米神経科学会で発表されたもののようです。しっかりとした査読のある科学雑誌に掲載された内容ではないので、エビデンスレベルはそれほど高くないですが、Science誌も記事にしているので、かなり信頼できそうです。以下は、記事の抜粋です。
これまで「ヒトの脳は無菌状態」と、信じられてきた。だが、最新の医学発表によると、脳内には人知れずバクテリア(細菌)が存在している可能性がある
米アラバマ大学バーミンガム校の研究チームが、統合失調症患者と健常者の脳の違いを分析するため、検体である脳のサンプル34個を電子顕微鏡でチェックしていたとき、すべての脳断面画像から細菌が見つかったのだ。しかも、それらは炎症や細菌性の病気による痕跡がまったくないことが判明した。
また、細菌は海馬や前頭前野皮質、黒質などが集まるエリアの血液脳関門近くにある星状膠細胞内部に集中して存在していたことがわかった。さらに、それらはファーミキューテスやプロテオバクテリアなど、ヒトの腸内で見つかる細菌と同一であることが確認できたという。
研究チームは、まずは「検体が汚染されていた可能性」の完全排除を試みた。死後間もなく保存されたマウスの脳組織で同様の検査をしてみたところ、ヒトの脳と類似したエリアで、やはり多くの細菌を発見したという。
これまでも女性の卵管、卵巣や男性の睾丸に、微生物叢が存在することは示唆されてきた。今回の発見が科学的に証明されれば、脳内の細菌は病気のサインという従来の常識は過去のものになるはずだ。
Science誌の記事に掲載された血管周囲のバクテリアを示す電顕写真
細菌が脳内で何をしているのか?なぜ増殖して病気を起こさないのか?などなど疑問は尽きません。マウスでも同様の現象が認められるなら、いろいろと実験できるので、問題の解決にはそれほど時間はかからないと思います。
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