シリコンとネズミの心臓組織で作った人工クラゲ

シリコンとネズミの心臓組織で作った人工クラゲ

以下は、記事の抜粋です。


シリコンポリマーとネズミの心臓の細胞で作られたクラゲのレプリカが、海洋の塩水に似た水の中を「泳ぐ」様子が7月22日、公開された。バイオミミックリー(Biomimicry、生物模倣)と呼ばれる分野の研究で、筋肉のポンプ作用に関する新たな知見を提供しており、将来的には、心疾患の患者に小型の心臓を提供できるようになる技術へとつながるかもしれない。

このクラゲのレプリカは、ギリシャ神話に登場するヘビの頭髪を持つ怪物メデューサから「メデューソイド(Medusoid)」と名付けられた。

シリコン製のメデューソイドは、8本の足に相当する部分に分かれており、本物のクラゲのもつ筋組織に似せたタンパク質のパターンがコーティングされている。このタンパク質は、ネズミの心臓筋肉から採取された細胞が成長する土台の役割を持つ。

メデューソイドを動かすため、研究チームは、塩水に1~5Vの小さな電圧をかけ、メデューソイドの筋細胞が規則的に収縮と弛緩を繰り返すようにした。実際に電流を流すと、メデューソイドの体は開閉を繰り返しながら水槽内を移動した。


元論文のタイトルは、”A tissue-engineered jellyfish with biomimetic propulsion”です(論文をみる)。

以下は、”Artificial jellyfish made from rat heart”というタイトルの動画で、上の記事に書かれている人工クラゲを紹介しています。

本物のクラゲでは、神経細胞によって横紋筋が制御されているのですが、このメデューソイドには神経細胞に相当するものはなく、外からかけた電位差によってネズミの心筋細胞の電位依存性チャネルを開いて筋肉を収縮させています。

この人工クラゲをみて、本物のクラゲは本当に良くできていると思いました。

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