閉経前の女性に対する乳がん検診はメリットよりもリスクが多い

「マンモで発見できず」乳がん検診変わる?
この記事では、乳がん検診はマンモグラフィーだけでは不十分なので、マンモグラフィーと超音波検査を組み合わせる検診に変わるように書いていますが、本当にそれでよいのでしょうか?

最近の記事でも書いたように、乳がんは1つの病気ではなく、原因や予後がまったく異なる10種類近くに分類され、若い女性の乳がんと中高年に多い通常の乳がんとは、ほとんど別の病気と言っても良いぐらいです。

マンモグラフィーによる検査には、がんを発見するメリットがある一方、陽性となった場合の過剰診断や過剰治療、放射線被ばくによるリスクもあるため、リスクとメリットのバランスが不確かです。

閉経前の女性の場合、乳房組織密度が高いので「吹雪の中のシロクマ」のように乳がんの発見が難しいとされています。陽性となった場合の過剰診断や過剰治療、放射線被ばくによるリスクもあります。

これらの理由からWHOは、「マンモグラフィーによる検診で患者にメリットがあるのは50~59歳のみ」という見解を示しています。上の記事に書かれているマンモグラフィーと超音波の組み合わせについてもまだ推奨していません。

以前にも書きましたが、現状の過剰診断や過剰治療がほとんど問題にされておらず、キャンペーンのスポンサーの利益相反もまだまだ見過ごされています。キャンペーンの結果、治療や検査が増えれば、キャンペーンスポンサーの製薬会社や検査会社の利益が増えます。

長年の「ピンクリボン運動」にもかかわらず、乳がんによる死亡はほんの少ししか減少していません。早期発見キャンペーンのために、多くの女性が不必要な治療を受けているかもしれません。以前TBSが推進していた「20‐30代女性に限定した乳がん検診」は疑いなくメリットよりもリスクが多いと思われます。

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