南京事件否定論者に仕立て上げられる中国の研究者
アパホテル問題で、南京事件がまた注目されています。この記事では朱学勤という中国の研究者を紹介し、アパホテルの本で彼が「南京事件否定論者」とされている根拠がいかにデタラメであるかを、彼の書いた文章の日本語訳を引用して説明しています。以下は、その抜粋です。
朱教授はこう述べる。 〈30万を殺すことは虐殺であるのに、20万から10万あまりであれば虐殺ではないのか? それが1人か2人ならば、命ではないのか? 私たちの目の前にある“30万”は曖昧な概念であり、(犠牲者個人が思い浮かぶような)ディティールのある数字ではない。そして、概念では人々を納得させることはできない。かわりに、人々に猜疑を芽生えさせ、日本に言い逃れのための口実を与えさえする。私たちは決定的な数字を使うべきであり、最も良いのは、具体的に個人の名前を刻むことだろう。そうしたときだけ、私たちは他者を畏敬させ、国際社会から敬意を得ることができる。〉
(編集部訳)つまり、南京事件では多くの人が犠牲になって、追悼するに十分な理由があるのに、世界から敬意を払ってもらえていない。それは、中国政府がもち出す30万という数字だけでは、犠牲者ひとりひとりの人間像が表れないからだ。朱教授はそう指摘し、犠牲者の名前を掲載しない中国政府の態度を批判しながら、追悼のために犠牲者個人の名を刻むことを求めたのである。そして、上っ面の数字にこだわると、犠牲者の命という本質を忘れてしまい、歴史修正をされかねないと警告までしている。
私も、「いったいどこをどう読めば、『南京虐殺はでっちあげであり、存在しなかった』という根拠になるのだろうか。」という意見に同意します。
また、記事にもありますが、日本の右翼が目の敵にしている南京大虐殺記念館は、1970年代に「南京大虐殺のまぼろし」などの南京事件否定論が日本ではびこり、中国侵略を正当化するような動きが出てきたのがきっかけで、1985年に建設されました。
一方、朱学勤氏が指摘するように、蒋介石の国民政府下での判決に基づいた犠牲者数“30万”は曖昧な概念であるため、人々に猜疑を芽生えさせ、日本に言い逃れのための口実を与えていると思います。
いずれにしても、、蒋介石の国民政府軍が南京防衛戦で日本軍に敗れ、その結果として多くの中国兵や民間人が日本軍に殺されたことは事実です。その時に、多くの暴行、略奪、強姦等の非人道的行為があったと考えるのは当然のことだと思います。上記のように、これを「まぼろし」として否定したことが、中国政府が南京大虐殺記念館を作るきっかけになったことを考えるべきです。
白人からは「黄色」で一括りにされる、DNA配列が極めて近い民族同士、もっともっと仲良くしたいものです。
コメント
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「白人からは『黄色』で一括りにされる、DNA配列が極めて近い民族同士、もっともっと仲良くしたい」という点に同感です。
我が家でも欧州に行けば、愚息は白人と日本人の合いの子なのを知っているオヤジ本国の連中が「中国人!中国人!」と囃し立てて集団暴行をやります。やられてみれば判りますよ。そして、そういうことを「なかったこと」にして、愚息に「アスペ」だの「ADHD」だのとラベリングをしてくるのが西洋白人女性心理職です。危険なので、お見かけしたら全力で逃げるしかありません。
「なかったこと」にするのがPTSD現象の嵐を起こすことは、洋の東西を問わず、どこでも同じです。
どうも、お邪魔しました。