高齢者の健康関連QOL(Quality of Life)低下の最も強い予測因子は?

高齢者の健康関連QOL低下の最も強い予測因子は?
以下は、記事の抜粋です。


主観的な身体・精神・社会的健康を包括的に評価する健康関連QOLは将来の死亡率や心血管疾患の発症などと関連することが報告されている。そこで研究グループは、2007~18年の「岩木健康増進プロジェクト健診」のデータを解析し、国際的な健康関連QOL指標であるSF-36下位尺度をもとに加齢に伴う身体的・精神的なQOLの変化を分析する縦断研究を実施した。

主な結果は以下のとおり。

・解析には、2007~18年の岩木健康増進プロジェクト健診に参加した60歳以上の910人のデータを用いた。女性が588人(64.6%)。
・潜在クラス混合モデルで解析した結果、身体的役割機能と精神的役割機能は年齢とともに一律に低下するわけではなく、ベースライン時のスコアが同様に高値であっても維持する群と急速に低下する群に分かれた
・身体的役割機能と精神的役割機能の低下に共通する最も一貫して関連していた予測因子は睡眠の質の悪化であった。
・身体的役割機能低下のその他の予測因子は、週1回以上の運動習慣がない開眼片足立ちテストの成績不良であった。
・精神的役割機能低下のその他の予測因子は、抑うつ傾向、過体重/肥満であった。
・就寝時刻・入眠時刻・起床時刻などの睡眠習慣は、健康関連QOLと関連しなかった。


元論文のタイトルは、”Longitudinal trajectories of health-related quality of life and their predictors among community-dwelling older adults (地域在住高齢者を対象とした健康関連生活の質の長期的推移とその予測因子)”です(論文をみる)。

QOLとは「Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ)」の略で、「生活の質」「人生の質」と訳され、身体的・精神的・社会的な健康状態や満足度を総合的に示す概念です。

論文では「睡眠の質」を以下のように定義しています。「睡眠の評価には日本語版ピッツバーグ睡眠質指数(PSQI)を用いた。これは7つの構成要素から成る:主観的睡眠質(C1)、入眠潜時(C2)、睡眠時間(C3)、習慣的睡眠効率(C4)、睡眠障害(C5)、睡眠薬使用(C6)、日中の機能障害(C7)。PSQIは各サブスケールおよび総合スコアで評価される。PSQIスコアに加え、ベースライン時に自己記入式質問票を用いて、参加者の就寝時刻、入眠時刻、起床時刻を記録した。」

「よく眠りたい」ために睡眠薬を希望する高齢者に対して、「ぐっすり眠ることにこだわらなくて良い」とか言うのは、間違いなのでしょうか?

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