以下は、記事の抜粋です。
NPO法人「日本禁煙学会」は10月17日、たばこには放射性物質ポロニウムが含まれており、吸うと肺がんを引き起こすリスクが高まるとして、厚生労働省にたばこのポロニウム濃度の測定などを要請した。
同会は、たばこによる肺がんリスクを調べた米カリフォルニア大のカラギュージアン教授らの論文を基に、たばこのポロニウムは吸引すると気管支分岐部に高濃度で吸着し、肺がんリスクが上昇すると主張。副流煙には主流煙の1~4倍のポロニウムが含まれているとし、受動喫煙も危険だとした。
ポロニウムは魚などの食品にも含まれているとされるが、同会の作田学理事長は「食道を通って摂取した場合は、ほとんどが体外に排出される」と話している。
カラギュージアン教授らの論文のタイトルは、”Cigarette Smoke Radioactivity and Lung Cancer Risk”です(論文をみる)。
論文の要約によると、研究者らは、タバコ煙中の放射性ポロニウム210(polonium 210)に関するタバコ産業のポリシーと行動を調べるために、1998年にオンライン公開されたタバコ産業の内部資料(the Master Settlement Agreement)を解析し、喫煙者の肺に沈着するポロニウム210のアルファ粒子によって引きおこされる肺がんの長期リスクを評価したそうです。その結果、長期にわたるα粒子被爆により、1000名の喫煙者あたり120-138名の肺がん死が引きおこされるとしています。
ポロニウムといえば、2006年11月にイギリスに亡命していた元ロシア連邦保安庁の情報部員だったアレクサンドル・リトビネンコ氏の不審死により有名になった放射性物質です。リトビネンコ氏の尿からポロニウム210が検出されたため、死因として体内被曝が疑われ、暗殺疑惑が取りざたされました。
確かにポロニウムは、アルファ崩壊のみで崩壊し、ガンマ線の放射を伴わないため、ガンマ線計測では計測できません。しかし、日本分析センターに頼めば測定してくれるようです(サイトをみる)。
なぜ日本禁煙学会は、厚生労働省に測定を要請するのでしょうか?自分たち自身で、あるいは分析センターなどに外注して測定し、そのデータを公開して喫煙者を恐怖のどん底につき落とす方が、禁煙運動としては効果的だと思います。
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