尿路感染症の第1選択薬

尿路感染症の第1選択薬はニューキノロン?
自分用のメモです。以下は記事の抜粋です。


Q:尿路感染症でニューキノロン系の経口抗菌薬を出す先生が多いですが、本当に第1選択薬でいいのでしょうか?

A:国内のガイドラインでは第1選択として挙がっていますが、2024年のJANIS(厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業)のデータでは、レボフロキサシン(クラビットⓇ)に耐性を示す大腸菌の割合は入院検体で約38%、外来検体で約28%でした。感受性の結果がわからない段階で急性腎盂腎炎の第1選択薬として使うのはちょっと怖いなと思います。

また、近年、世界保健機関(WHO)は抗菌薬の適正使用を推進し、薬剤耐性の拡大を防ぐことを目的として、以下のようにAWaRe分類を提唱しています。AWaReは、抗菌薬を以下の3つのグループに分類します。

AWaRe分類
1.
Access(アクセス):
頻度の高い感染症治療の第1または第2選択薬の抗菌薬が含まれる。第1選択薬は一般的に狭域で、副作用リスクが低い。
2.
Watch(ウォッチ):
副作用リスクや耐性菌の選択圧がAccessグループよりも高い。特定の適応疾患に対して第1または第2選択薬になる。適正使用のための監視プログラムの対象にすることが推奨される。
3.
Reserve(リザーブ):
多剤耐性菌による重篤な感染症に対する「最後の切り札」として温存すべき抗菌薬のグループである。

WHOは各国の総抗菌薬消費量のうち、少なくとも60%をAccessグループの抗菌薬が占めるようにすることを目標にしています。本邦の抗菌薬適正使用体制加算では、「直近6ヵ月間において、使用する外来抗菌薬のうち、Accessグループに分類されるものの使用割合が60%以上またはサーベイランスに参加する医療機関全体の上位30%以上であること」を要件の1つにしています。フルオロキノロン系抗菌薬はWatchグループであり、温存したい抗菌薬グループに該当します(下表)。


ChatGPTに「尿路感染症の第1選択薬は?」と聞いた答えの一部を以下に紹介します。


まとめ(超実践的)

病型 第一選択
単純性膀胱炎(若年〜中年女性、基礎疾患なし)  ホスホマイシン / ニトロフラントイン / ST合剤(トリメトプリム・スルファメトキサゾール)
複雑性尿路感染症・男性・高齢者・基礎疾患あり 第3世代セフェム(例:セフトリアキソン) / βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン(例:TAZ/PIPC)

⚠️ 重要な注意点
ニューキノロンは第一選択からは後退(耐性+副作用:腱断裂・大動脈瘤リスク)
培養提出は必須(特に再発例・男性・高齢者)
無症候性細菌尿は治療しない(例外:妊婦・泌尿器手技前)


レボフロキサシン(クラビットⓇ)による腱障害(腱炎・腱断裂)のリスク上昇は、相対リスクが約 2~4倍、絶対リスクは一般成人:0.1~0.4%で高齢者などの高リスク群では1%前後だとされています。大動脈瘤・大動脈解離のリスクは、相対リスクが約 1.5~2倍、絶対リスクは一般成人:0.03~0.05%(1万人に3~5人)で動脈硬化・高血圧・既知の瘤などの既存リスクを有するヒトではさらに上昇するとされています。

ただ、WHOが勧めるセファレキシンは第1世代セフェム系抗菌薬に分類されます。またChatGPTが勧めるホスホマイシン(ホスミシンⓇ)、 ニトロフラントインやセフトリアキソンは表にはありません。というか、 ニトロフラントインは日本では発売されていません(ChatGPTが怪しい)。

悩ましいですが、単純泉膀胱炎にはホスホマイシン(ホスミシンⓇ)、高齢者・基礎疾患ありの場合はレボフロキサシン(クラビットⓇ)ではなく、セフトリアキソン(ロセフィンⓇ)という選択でしょうか?

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