急性膀胱炎での第1選択薬は?

急性膀胱炎での第1選択薬は?
膀胱炎は女性に多い病気です。まずは、水を飲んで予防してください。以下は、自分用のメモです。


急性膀胱炎であれば、セファレキシンかST合剤を使うことが多いです。

ST合剤は副作用が多いイメージがあるかもしれませんし、実際に長期使用ではいろいろと起こりますが、膀胱炎に使用する3日程度であれば、ほとんどの場合は問題なく使用できます。腎機能が正常であれば、スルファメトキサゾール・トリメトプリム製剤(商品名:バクタ配合錠 ほか)で1回2錠を1日2回の用量で使用します。

ただし、ほかに血清カリウム値を上げるような薬(ACE阻害薬やARB、スピロノラクトンなど)を飲んでいる場合はカリウム上昇を助長し、不整脈、突然死のリスクを上げることには注意を要します1)。ST合剤は、クセのある薬であることは確かですし、副作用や相互作用に目配りができるという条件であれば良い薬だと思いますが、あまり使い慣れていないようであれば無理に使う必要はないと思います。

セファレキシンは第1世代セファロスポリンの経口薬で、バイオアベイラビリティは90%以上、尿中への排泄も良好です。経口βラクタム薬を適切な用量で投与しようとすると、日本の保険適用の承認量を大幅に超えてしまうものが多いです2)が、セファレキシンは膀胱炎治療の観察研究の知見によると、1回500mgを1日2回内服した場合と1日4回を比較した場合で治療失敗に有意差はなかったという報告があります3)。副作用が比較的少なく、有効性が確認された投与量を保険適用量内で処方可能なため、ST合剤の使用に慣れていない場合は、セファレキシンでもよいと思います。

参考文献
1)Antoniou T, et al. CMAJ. 2015;187:E138-E143.
2)Shif J, et al. Open Forum Infect Dis. 2025;12:ofaf435.
3)Yetsko A, et al. Open Forum Infect Dis. 2023;10:ofad430.

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