インフルエンザが流行っているようですが、以下は、医師サイトm3におけるタミフル®(一般名:オセルタミビル)やゾフルーザ®(一般名:バロキサビル)やイナビル®(一般名:ラニナミビル)などの抗インフルエンザ薬についてのコメントです。
●発熱期間をまる1日短縮するだけ。重症化を防ぐ効果も確かではない。健常者のインフルエンザ感染は適応を外すべきです。
●おっしゃる通り、普通のインフルエンザへの抗ウイルス薬は症状持続期間を短縮する効果があるのみで入院は抑制しないとされていますから、世界の常識は、原則抗ウイルス薬不要、です(WHO、CDC)。原則的にself-limited diseaseである感染症に抗微生物薬を使わないのは感染症学の常識で、不必要な受診と抗ウイルス薬処方は、医療機関受診という患者負担、無駄な医療費、医療機関での他の患者たちへの伝播、乱用によるウイルスの耐性獲得などいいことは一つもありません。インフルエンザと診断したら自動的に抗ウイルス薬を処方する医師があふれている日本の現状は異常ですね。
一方、以下のような記事もあります。抜粋もつけておきます。
保険適用外し、94.9%反対 「OTC類似薬」患者ら調査
市販薬と効能などが似た「OTC類似薬」を公的医療保険の適用外とすることに「反対」と答えた人が94.9%に上ったことが10月29日、難病患者の家族や全国保険医団体連合会(保団連)などの調査で分かった。政府、与党は医療費削減のため、保険適用の見直しを検討しており、患者らは負担増につながると懸念する。
9~10月に調査し、難病や疾患を抱えている人ら5687人が回答。「賛成」は1.8%にとどまった。公的医療保険適用の薬剤は現在、自己負担が原則1~3割で済む。仮に適用外となれば全額自己負担になる。
保険から外れた場合に懸念されること(複数回答)は「薬代が高くなる」が83.6%で最多。「薬が必要量用意できずに症状が悪化する」「医師に診てもらわず自己判断で薬を買うようになる」が続いた。
保険適用の見直しは、日本維新の会が主張してきた。自民党との連立政権合意書に盛り込まれ、高市早苗首相も所信表明演説で「迅速に検討を進める」と述べた。政府は、子どもや慢性疾患、低所得の患者に配慮して制度設計を詰める。
私も、抗インフルエンザ薬を出しまくる日本の現状は異常だと思います(下の図は「全世界75%のタミフルを消費する日本人」というものです)が、一部の医者は現状に依存しており、薬を望む患者も多いので、現状を変えるのは難しいと思います。高市さんがどうするかを注目しています。

全世界75%のタミフルを消費する日本人


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