ベネズエラはドナルド・トランプにとって「便利な」敵
ベネズエラから米国に麻薬が入っている証拠がないとは、、、以下は、記事の抜粋です。
ベネズエラは、米国への有力な麻薬供給者にはほど遠い存在だ。それにもかかわらず、トランプと、その部下で何かと気取らずにはいられない自称「戦争長官」のピート・ヘグセスは、ベネズエラが米国のオピオイド汚染を拡大させていると言い張る。
ベネズエラ産のフェンタニルなど米国では全く――本当に全く――見つかっていない。フェンタニルはほぼすべてメキシコから持ち込まれているし、コカインはコロンビアが最大の供給源だ。
米国はここ数週間で4度、カリブ海から麻薬を密輸しているとするベネズエラのボートを吹き飛ばし、20人超を殺害した。トランプはフェンタニルとコカインの袋が「海一面に散らばった」と述べたが、証拠は示されなかった。
米国連邦最高裁はこれまで、トランプに大した抵抗をしていない。その最高裁が、トランプの国内での戦争よりも国外での戦争の方を強く抑制することは考えにくい。言い換えれば大統領は、今後もずっとこのでっち上げを続けられるのだ。
トランプはベネズエラのボートを1隻吹き飛ばすたびに、米国人2万5000人の命を救っていると吹聴している。米国では昨年、オピオイドのせいで5万4743人が命を落とした。
トランプは、オピオイドによる米国の死亡者数をそれよりもはるかに多い30万人だと主張しているが、たとえその数字を受け入れたとしても、ベネズエラのモーターボートを12隻沈めれば足りることになる。大統領はこれについて、必要最低限の釈明をするフリすらしていない。
危ういのは、事態をエスカレートさせてもコストは生じないとトランプも思っていることだ。
トランプによるベネズエラへの「最大圧力」が、ただでさえ多い出国者をさらに増加させている――その一部は米国にも向かっている――ことも一つの皮肉だ。トランプは、自分が解決に取り組んでいると主張する問題を悪化させているのだ。
その昔、『Wag the Dog(ウワサの真相)』というコメディ映画があった。米国の政権が国内問題から国民の目をそらそうと、架空の戦争をでっち上げる様子を描いた作品だ。トランプはこれを一ひねりして、外国を共演者に迎えつつ架空の戦争を国内で繰り広げている。
以下は、ベネズエラの「麻薬密輸船」を攻撃し11人を殺害したとしてトランプが投稿した動画とその説明です。彼の話すことに根拠がないのは、医療関係だけでないことが良く分かりました。
アメリカのトランプ大統領は、ベネズエラから麻薬を運搬していたとする船を攻撃し、犯罪組織のメンバー11人が死亡したと明らかにしました。
トランプ大統領は9月2日、自身のSNSにアメリカ軍による攻撃の映像を公開したうえで、アメリカに麻薬の密輸を図っていたベネズエラの犯罪組織の船を撃沈したと明らかにしました。
船は公海上を航行していたとしていて、攻撃によって犯罪組織のメンバー11人が死亡し、アメリカ軍の被害はなかったとしています。
トランプ氏は、犯罪組織はベネズエラのマドゥロ政権の支配下にあるとしていて、「ベネズエラから大量の麻薬がアメリカに流入しており、それを排除したものだ」と主張しています。


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