Ambient Documentation Technology(AIによる自動診療記録技術)

AIによる診療記録作成で医師のバーンアウトが減少
以下は、記事の抜粋です。


診察室での医師と患者の会話を自動的に記録して解析し、診療記録を生成する技術をAmbient Documentation Technology(ADT)という。新たな研究で、ADTの使用は臨床医のバーンアウトの減少やウェルビーイングの向上と関連していることが示された。

マス・ジェネラル・ブリガム(MGB)のRebecca Mishuris氏らは、ADTを試験的に導入しているマサチューセッツ州のMGBとジョージア州のエモリーヘルスケアにおけるADTの使用状況を調べ、ADTの使用が臨床医の記録業務負担の感じ方およびバーンアウトに与える影響を検討した。

ADTを用いる場合、臨床医はAIが作成したレポートを確認してから、電子医療記録(EHR)に入力する。MGBでは2023年7月に18人の医師によりADTプログラムの使用が開始され、2025年4月には全ての医療提供者がADTシステムを利用できるようになり、3,000人以上が日常的にツールを活用しているという。

対象は、ADTを42日以上使用し、使用前後の調査に回答したMGBの臨床医873人(65.6%は医師の経験が10年超、女性54.8%)とエモリーヘルスケアの臨床医557人(51.3%は医師の経験が10年超、女性55.5%)の計1,430人である。MGBの臨床医のうち265人が事前調査と42日後の事後調査、192人が事前調査と84日後の事後調査に回答した。一方、エモリーヘルスケアの臨床医は、62人が事前調査と84日後の事後調査に回答した。

MGBでは128人(48.5%)が50%以上の診察記録にADTを使用していると回答した。一方、エモリーヘルスケアでは27人(43.5%)がほとんどもしくは全ての診療記録にADTを使用していると回答した。また、ADTを人に勧めたいと思うかを0〜10点で評価するスコア(10点が最高)は、MGBでもエモリーヘルスケアでも中央値が8.0点と高く、ADTに対する満足度の高いことが示された。

さらに、MGBでのバーンアウト発生率は、ADT使用の42日後には使用前の50.6%(134/265人)から29.4%(78/265人)へ、使用の84日後には使用前の52.6%(101/192人)から30.7%(59/192)へといずれも有意に減少していた。一方、ウェルビーイングについては、エモリーヘルスケアにおいて、「ADTがウェルビーイングに良い影響を与える」と答えた割合が、使用前の1.6%(1/62人)から使用後には32.3%(20/62人)へと有意に増加していた。

調査に回答した臨床医の一人は、「患者との会話で、後で話の内容を忘れてしまう心配をせずに患者の目を見て話せるので、診療の喜びが確実に増加した。ツールが進化すれば、医師としての経験を根本的に変えることになると思う」と回答した。さらに、「AIが生成した文章をコピー&ペーストして編集するのは面倒だが、それはある意味、機械的にできる作業だ。何時間も経ってから一から文章を作るのは、もっと頭を使う作業になる。午後になると集中力が途切れ、忙しいときには記入すべきカルテが山積みになり、もはや記録する余裕すらなくなる。そのため、記録が半分完成しているのは本当に助かる」という回答も見られた。


元論文のタイトルは、”Ambient Documentation Technology in Clinician Experience of Documentation Burden and Burnout(臨床医の文書化負担とバーンアウト体験におけるアンビエント・ドキュメンテーション(自動診療記録)技術の影響)”です(論文をみる)。

論文をみると著者の多くはMassachusetts General Hospitalと Brigham and Women’s Hospitalというハーバード大学の附属病院に所属しています。クレイジーな保健福祉省のトップ(長官)やボケている可能性の高い大統領に虐められてもハーバードには強く生き残って欲しいです。

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