m3という医師サイトにある「日本の医師による月間閲覧ランキング」の泌尿器科部門で、2015/07/10付の1位に輝いたのが、以下の「早漏を改善するトラマドール頓服」という論文です。
以下は、その日本語要約の抜粋です。
早漏(premature ejaculation:PE)は一般的な性機能障害で、QOLおよび関係に悪影響を及ぼす。最近、トラマドール頓服が腟内射精潜時(IELT)の延長および満足の主観的指標の改善に有効であることを示すエビデンスが出てきている。そこで、PEとトラマドールに関する文献のシステマティックレビューを実施した。
方法: 2000年1月から2014年7月の間に発表された「tramadol」および「premature ejaculation」のキーワードに適合する学術論文を検索した。
ピアレビュー付きの科学誌で発表された原著論文(英語)を8件特定した。これらの論文はIELTを有効性の主要評価項目としていた。
結果: トラマドール頓服は、様々な程度のPEを有する男性のIELT延長に有効であり、患者の満足を改善することが確認された。乱用および依存のリスクはあるが、これらの事象は特に間欠的な低用量の服用時にはまれである。
結語: トラマドールはPEの経口療法として有効で、全体的に安全かつ忍容性良好である。
日本におけるトラマドール(トラマール®)の効能は「軽度から中等度の疼痛を伴う各種がんにおける鎮痛」と「慢性疼痛における鎮痛」の2つです。また、トラマドールとアセトアミノフェンを含むトラムセット®配合錠の効能は「非がん性慢性疼痛,抜歯後の疼痛」です。
早漏に処方すればもちろん適応外処方になりますが、日本新薬はかなり期待していると思います。
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