心房細動による脳卒中予防に最も有効な薬はリバーロキサバン(イグザレルトⓇ)

心房細動における直接経口抗凝固薬の純臨床的有用性の比較分析: ランダム化比較試験の系統的レビューとネットワークメタ解析
以下は、総説の要約の抜粋です。自分用のメモです。


本研究では,心房細動患者における経口抗凝固薬の比較を行った。

方法:適格なランダム化比較試験(RCT)からデータを収集した。有効性のアウトカムは脳卒中、全身性塞栓症、心筋梗塞、全死亡で、安全性のアウトカムは大出血であった。有効性と純臨床的有益性の複合アウトカムも評価した。

結果:23,152件の記録から11件の適格なRCTが同定され、本試験に組み入れられた。リバーロキサバンはビタミンK拮抗薬(VKA)よりも正味の臨床的有用性において優れていたが(RR 0.75)、他のDOACとVKAの間、あるいはDOAC自体の間に有意差はなかった。リバーロキサバンはダビガトラン(RR 0.85)、エドキサバン(RR 0.84 )と比較して有効性の複合アウトカムのリスクを低下させたが、アピキサバン(RR 0.89)は低下させなかった。すべてのDOACは大出血のリスクを増加させることなく、有効性においてVKAより優れていた。リバーロキサバンは他の抗凝固薬と比較して好ましいリスクベネフィットプロファイルを示した。 結論:本研究により,DOACは大出血リスクを増加させることなくVKAよりも有効性に優れ,リバーロキサバンが最もバランスのとれたリスク-ベネフィットプロファイルを示した。これらの所見を検証するためには,十分にデザインされたRCTが必要である。


リバーロキサバンの先発品(バイエル製)の商品名は「イグザレルト」です。リバーロキサバンは、非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制に用いられる医薬品です。

ビタミンK拮抗薬とは、抗凝固剤の一種で、ワルファリンなどが代表的ですので、リバーロキサバンは、ワルファリンよりも優れているという結果です。

私は、バイエルの回し者ではないですが、この報告をみると、心房細動の薬物治療にはリバーロキサバンがおすすめのようです。

心房細動の治療の第一選択は、一般的に薬物療法とカテーテルアブレーションの2つです。薬物療法は、主に抗不整脈薬や抗凝固薬を用いて、不整脈を制御したり、血栓の予防を行います。ここでは、薬物療法にはリバーロキサバンが最も有効だと報告されています。カテーテルアブレーションは、カテーテルを用いて不整脈の原因となっている組織を焼灼する治療です。発作性心房細動の場合、カテーテルアブレーションが第一選択になることが多いです。

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