キシリトールは虫歯を予防しないかもしれない
以下は、記事の抜粋です。
マンチェスター大学の研究グループが、2015年3月26日に報告した。キシリトールは砂糖より歯のダメージが少ない天然の甘味料として、ガム、歯磨きペースト、せき(咳)止めキャンディ、お菓子などに広く使用され、虫歯を作る細菌の成長を妨げるとも考えられている。
研究グループはさまざまなデータベースから、キシリトールを含む製品が虫歯に及ぼす効果を評価した10件の試験結果(参加者合計6000人近く)を解析した。
結果の偏りを解消するためのバイアスリスクも考慮しながら試験結果の有効性を分析した。結果として、10件の試験結果のうち結果の偏りが少ないと見なせたのは1件のみで、2件は結果の偏りについては不明、残り7件は結果の偏りが大きいと判断された。
コスタリカの2件の試験(13歳以下の子ども約4200人が対象)で、キシリトール添加歯磨きペーストは、添加していない歯磨きペーストと比べると、3年間に13%虫歯が少なかったという結果があったが、証拠の質としては低く、この集団に限られた結果の可能性があった。他のキシリトール含有製品では、利益を示す証拠はほとんど、あるいは全くなかった。
キシリトールには副作用として膨満感や下痢、下剤作用があるが、一部の研究では副作用について報告していなかった。虫歯に良いというイメージももろいものなのかもしれない。
とても興味深い結果だと思います。少なくとも、虫歯を予防するためにわざわざキシリトール入りのガムを噛む必要はなさそうです。このようにバイアスを除いた厳しいメタ解析をすれば、ほとんどの健康食品のデータはアウトになりそうな気がします。
コメント
SECRET: 0
PASS:
キシリトール・ガムは、フィンランドで実際に効果を上げていますが、そもそもポイントは「キシリトール入り」という点ではなく、虫歯を増やすような口腔内環境をもらたす砂糖はじめ有害な甘味料を外すことにあるでしょう。キシリトール100%ガムは、唾液をたくさん出して口腔内環境を改善する効果はあるはずです。
そこの解釈を誤って、キシリトール入りで別の甘味料も入っているとか、キシリトール100%でも、食事で砂糖をどんどん使っている…ということだと効果も半減でしょう。
キシリトールはアスペルテームのような害は今のところ報告されていないので、食べ過ぎるとお腹に悪いから気を付けましょうくらいで済むから悪くない選択だとは思います。しかし、おやつを食べるにしても、そもそもお菓子なんか食べないで、口腔内環境を悪化させない食品だけ食べていれば良いように思います。