治療抵抗性コロナ肺炎

医療者向けのサイト(m3)の「診断治療に関する質問」というところにあった質問とベストアンサーです。


治療抵抗性コロナ肺炎についての質問
80代後半男性 基礎疾患は高血圧とクレアチニン1.3のみ 元気な高齢者でした。発熱なし感冒症状なし 数日前からの急な食欲不振で検査して両側コロナ肺炎。レムデシビル、ステロイドも効果はなく 1ヶ月の入院で他界しました。

正直オミクロンは体力の低下した高齢者以外は、重症化しない軽いコロナウイルスと思ってたので、基幹病院から死亡の連絡に驚いています。このような治療抵抗性のコロナウイルスって経験あるでしょうか。

ベストアンサー
2020年当初のダイヤモンド・プリンセス号の頃からずっと地域の感染症基幹病院でコロナをみている立場のものです。

残念ながら(現在、頻度は高くなくても)こういったケースはしばしばあります。当初から、2024年現在でも。ウイルス自体が治療抵抗性で減らない、ということよりも何やら二次感染や器質化肺炎のような病像がこじれて遷延します。ワクチン歴があっても、ダメなときはダメです。

ウイルスが全然消えない現象は移植後や血液疾患などの重度免疫不全の患者でしばしば経験します。

世間ではコロナは風邪、ということになっていますが、最後の砦の立場としては、一定数「これで風邪のわけないでしょ」の病状になる不運な方を診続けています。ので、見ている世界が違うと分かり合えないと思います。長期的な影響も不明のため、用心するに越したことはないかと。


質問に対しては、塩野義の回し者のような回答もありましたが、上の回答がベストアンサーに選ばれたということは、世の中には信じられる医者も多いということだと思いました。

ベストアンサーの先生の世界とは違って、コロナ陽性でも軽症のヒトが多い私の周辺では、「ふつうの風邪」になってきています。つくづくやっかいな病気だと思います。

下の図は、4~5年前の新型コロナウイルス感染後の経過表です。現在のKP.3株では、毒性も感染力もかなり変わっています。最新の経過表が望まれます。

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