New drug can help alcoholics drink 60% less – but only if they are having counselling
以下は、記事の抜粋です。
イギリスでは、今日から飲酒者のアルコール摂取量を減らす薬物が入手可能になった。メーカーによると、このナルメフェン(nalmefene)という薬物を飲むとアルコール摂取が61%減るという。ただし、服用には医師の処方箋が必要。
これまでの薬が絶対禁酒を助けるタイプだったのに対して、この薬はアルコール摂取量を減らす。脳の報酬メカニズムに働き、飲酒に対する渇望と満足感を減らすという。1日1錠とすると、2週間分のコストは42.42ポンド(6,504.02円)になる。
臨床試験では、アルコール摂取量を61%減らすだけでなく、大量に飲酒していしまう日を1ヶ月あたり平均23日から9日に減らしたという。臨床試験の対象者の大半は典型的なアル中患者ではなく、家族も仕事も持っている患者だった。
イギリスでは、アルコール性肝障害による入院が年々増加しており、専門家は一日の飲酒量を男性は3~4単位以下、女性は2~3単位以下にすべきだとしている。アルコール1単位とは、アルコール22gに相当する酒量で、通常のビールの半パイント(284ml)、ワインなら小さめのグラス1杯、ウイスキーならダブル1杯ぐらいだそうです。
ナルメフェンは、以前の記事で、毎日定期的に服用するのではなく、酒を止めたいヒトが酒が飲みたくなった時に飲むと飲酒量が減る薬として紹介しました。こちらの記事も是非お読みください。
ナルメフェンは、ナルトレキソン(naltrexone)とよく似たオピオイド受容体遮断薬ですが、ナルトレキソンがオピオイド受容体のμサブタイプに親和性が高いのに対してκサブタイプへの親和性が高いとされています。
本当に辛い時、何かを祝いたいとき、あるいは単に良い気分になりたい時にお酒を飲むのは悪くないと思います。しかし、アルコールには、ヒトを精神的にも身体的にも依存させる性質があります。依存というのは、脳内に酒を渇望する報酬サーキットができてしまう状態です。このような状態から抜け出したい時には、ナルメフェンが役に立つかもしれません。問題は、酒が人生をどの程度蝕んでいるのかの判断が非常に難しいことだと思います。酒の「常用」は健康に悪いことを認識しましょう。
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