クリック音を出すエイ、はじめて撮影、理由は謎
以下は、記事の抜粋です。
エイはつい最近まで、音を出さない物静かな生き物だと考えられてきた。ところが、新たな研究によりその沈黙は破られた。マングローブウィップレイ(Urogymnus granulatus)とツカエイ(Pastinachus ater)という、いずれもインド洋から西太平洋にかけて生息する2種のエイが、明確なクリック音をまぎれもなく発している姿が動画にとらえられたのだ。
硬骨魚の仲間のうち、何らかの音を発するものは1000種近く存在するが、軟骨魚のサメとエイはこれまで例外だと考えられてきた。科学者やダイバーたちが、水中でいつも彼らと一緒に泳いでいることを考えると、今までだれもこれに気づかなかったというのは意外ではある。
今回の研究以前、エイが積極的に音を出す唯一の確かな証拠は、飼育下にあるクロガネウシバナトビエイの研究から得られたものだけだった。1970年に発表されたこの研究には、エイが発した短く鋭いクリック音が記録されている。だが、エイが音を出したのは、科学者がエイを強くつついた時に限られていた。
その後、2017年と2018年になってようやく、今回の研究の共著者らが、インドネシアとオーストラリアでダイビング中に偶然、高品質の動画でその様子をとらえることに成功した。この動画が撮影されたのは快挙ではあるものの、彼らがどのように音を発しているのかについてはよくわかっていない。
「エイには声帯がなく、彼らがどうやって音を出しているのか、明確なメカニズムは不明です」とフェッタープレイス氏は言う。
今回の研究ではまた、メジロザメの仲間やレモンザメ(エイの捕食者)にもクリック音が聞こえていることが明らかになっている。これが示唆しているのは、エイが音を出すのは、捕食者の接近を察知したときである可能性だ。彼らは相手に警告音を発して、こちらには毒針があるから近づくなと伝えているのかもしれない。
エイとよく遭遇するダイバーは皆知っていて、学者だけが知らなかった可能性はないのでしょうか?
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