アゴラに載った辻元(つじはじめ)さんのご意見です。辻さんは上智の数学の先生で専門は代数幾何のようですが、最近アゴラに橋下批判を連載しました。同意できる部分を以下に抜粋します。興味をもたれた方は是非原文をご覧下さい。
石原都知事が尖閣諸島の土地の東京都による買い上げの意向を表明し、物議を醸している。国会では、前田、田中両大臣の問責決議案が参議院で可決された。最近の政治状況を観察すると、政策を競うという本来の政党政治から逸脱し、足の引っ張り合いやスタンドプレーに終始している。
これは何故だろうか。この原因は、将来世代からの財源の移転(国債発行)が困難になり、増税や社会保障の削減といった国民に痛みを求める政策の実施が不可避になっているという事情に求めることができる。即ち、国債発行が限界に達してしまうと、政策を行おうにも財源がないので、新たな富の分配を行うのには、どこか予算を削るか、税負担を増やさなくてはならない。それどころか、高齢化により社会保障費は年に1兆円以上の増加をしており、益々、歳出削減圧力は強まっている。
政治家は、富の分配どころか困ったことに負担の分配をしないと先に進めない。だから、政治家は立ち尽くし、意味のない政争やスタンドプレーをしているのだ。
結局、財政と社会保障の持続可能性を担保すること、これこそが、現在の日本の最も本質的な問題であり、これを解決しないと先には進めない。ところが、現状で、多くの政治家は、この財政と社会保障の持続可能性という課題に正面から取り組んでいない。それは、政治家は、国民の人気を繋ぎとめなくてはならないからである。こうした中、最近、目立つ政治家の行動は以下のようである。
(1) 自分の立場を有利にするため、政権批判を行う(つまり政権の足を引っ張る)。
(2) 日銀や財務省への責任転嫁や空想的な経済活性化策を国民に提示する。
(3) とにかく今の閉塞状況を打破することを訴えて、非現実的な構想を国民に提示する。
(1)は自民党などが、実行している手段であり、とにかくあら探しをして大臣の問責決議や審議拒否といった手段で攻撃する。小沢一郎一派も、同じ文脈で消費税増税に反対している。しかし対案はない。(2)は、みんなの党などが主張する、大胆な金融緩和による4%の名目成長を、といったスローガンがそれに当たる。共産党の「富裕層、大企業への増税」といったお馴染みの政策も同列のものだ。(3)は大阪維新の会が使っている手法で、政権与党になる見込みがないまま、首相公選制や、地方分権、道州制といったスローガンを掲げる。
強いリーダーを待望する向きもあるが、問題を単純化し、民衆のガス抜きとなる「国民の敵」を提供して憎悪を煽り、自分への支持を取り付けるという方法をとるのは危険である。脱原発は長期的には重要な問題だが、短期的な問題ではなく、選挙の争点にするのは問題である。この場合、原発が国民の敵なのである。
国民の間に増税に対する抵抗感が強いのは、国債発行による負担の先送りに慣れてしまっているため、急に大きな負担がやってくるように見えるからだろう。
誰が防衛大臣になっても何も変わらないことは、多くの国民が知っているわけで、問責決議案など成立させても喝采をあびないことぐらいは、ほとんどの自民党議員も知っていると思います。それでも、組織の論理に従って、オレが悪いわけではないと思いながら行動しているのでしょう。
一方、あれだけ無駄を省けば赤字国債は減らせると言っていた、いや本人たちも信じていたであろう民主党は、もともと体質的に組合などに弱いわけで、気がついたら自民党時代よりも赤字国債は増えています。地震のせいだけではないと思います。2大政党がポピュリズムに走っている状況はたしかに不毛です。
辻元氏の橋下批判については、正直なところ、完全には同意できません。というのは、橋下構想が100%非現実的なものかどうか私にはわからないからです。例えば、「社会保障は、所得税と法人税で賄え」という橋下氏の主張について、所得税や法人税は景気の動向により大きく増減する税なので、「これで社会保障を賄えというのはクレージーです。」と書いておられるのですが、橋下氏も2つの税金だけで賄えと言っているわけではないだろうと思うからです。
私の場合、未知な部分が多いだけかもしれませんが、どうしても橋下氏に期待してしまうところがあります。それでも、国歌斉唱での起立に対する対応などには、石原知事と共通したいかがわしさを感じて思わず引いてしまいます。それでも、少しだけ期待してしまう私はバカなのでしょうか?
コメント
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>それでも、少しだけ期待してしまう私はバカなのでしょうか?
いえいえ、
地方自治で実績を出していますので、既成の政党政治家より余程ましだと思います。
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tak先生
お早う御座います。
もう先のない老人が無責任なこと申し上げると叱られのは覚悟。
先生ですね、国家の事態は極めて深刻。
長年の政治が財界、団体、国民等の好まれる政策を長年1,000兆超えの借金を元に続けて来た帰結が現状。
国家の現状、国民のライフスタイル等は実力を遥かに超えたバブル。
これはね暫く前の経済の右肩上がりのバブルが続く前提でやってきた結果。
国家のあり方を1/10くらいにシュリンクしない限り財政再建などあり得ない。
更に深刻なのは将来の人工減、ハイテク産業の流出、結果国力、産業、財政含め衰退の一途。
過去日本が欧米から奪ってきたのと同じ現象。
代替え産業としてありとあらゆる武器、ミサイル、核、航空機、等の産業を取り込み輸出に邁進すれば別、しかし国際社会が許さな。
将来はギリシャの比ではない。
特に財政再建は今親戚兄弟から借りている借金を棒引き、言い変えると借金に見合う増税、実現は難。
残るは1000%程度のハイパーインフレ、これで1000兆円は1兆円で済む。
給料を10倍、税金も10倍、そこから再スタート、後はEU諸国のように倹しく生活する。
しかし金持ちは困る、しかし蓄えない国は救われる。
でもこれ以外に再建する魔法の策など絶対あり得ないですね。
先生はどのような策を考えられますか?。
それでは良い1日でありますように。
taniyan
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tak先生
御免なさい、misstouch多く困ってます。