Matsubara lab in Japan: Anything goes? (part 3)
Abnormal Science Blogというのは、”a German blog on bad behaviour in science”という副題がついています。著者のJörg Zwirnerという人は、GöttingenにあるGeorg-August大学の先生のようです。このブログの存在は、「5号館のつぶやき」というブログの「2011年に取り下げられた論文トップ5」という記事で知りました(記事をみる)。
以下は、ブログ記事の抜粋です。
Article 10
Mano A, Tatsumi T, Shiraishi J, Keira N, Nomura T, Takeda M, Nishikawa S, Yamanaka S, Matoba S, Kobara M, Tanaka H, Shirayama T, Takamatsu T, Nozawa Y, Matsubara H.
Aldosterone directly induces myocyte apoptosis through calcineurin-dependent pathways.
Circulation. 2004 Jul 20;110(3):317-23. Epub 2004 Jul 12.
Fig.1とFig.4は、異なる実験条件にもかかわらず、蛍光顕微鏡写真がオーバーラップするとは?同じ写真の使い回しである。
Article 11
Irie H, Tatsumi T, Takamiya M, Zen K, Takahashi T, Azuma A, Tateishi K, Nomura T, Hayashi H, Nakajima N, Okigaki M, Matsubara H.
Carbon dioxide-rich water bathing enhances collateral blood flow in ischemic hindlimb via mobilization of endothelial progenitor cells and activation of NO-cGMP system.
Circulation. 2005 Mar 29;111(12):1523-9.
“CO2 water”の図は1つの写真の中に少なくとも2つの同一画像を含んでいる(赤で囲った部分)。人工的に作った写真である。
同じFig.3のB(上のはA)。これも”CO2 water”の写真の中に2つの同じ画像を含んでいる(赤と青の部分が同じ)。
これら2本を含む12本の論文で捏造と思われるデータが示された。特記すべきことに、これら12本の論文に共通の著者はHiroaki Matsubaraだけだった。
Professor Hiroaki Matsubara is director at the Division of Cardiology and Vascular Regenerative Medicine, Kyoto Prefectural University of Medicine.
私も自分で上の2本の論文における指摘箇所を確認しました。他の10本についてもJörg Zwirner氏の指摘は正しいと思われます。Zwirner氏は、これらは松原教授によるミスコンダクトであるとして、雑誌の編集者は生データの提出を求め、捏造事実の有無を確認すべきだと書いています。Circulationはどう考えているのでしょうか?
以下は、上記の「5号館のつぶやき」記事への「くわがた」さんという方のコメントです(記事とコメントをみる)。
思い切ったデータの使い回しですね。
そのMatsubara labのページを拝見致しますと、「新卒研修医、学生のみなさんへ」と題し、以下のようなメッセージが投げかけられております。
“高度先進医療(Skill)、基礎的研究(Science)を行ううえで、もっとも重要なのは正直 (Sincerity) であることと、(以下略)”
なかなか意味深です。
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