イベルメクチンは軽度のCOVID-19からの回復を早めない、と研究は示している
以下は、記事の抜粋です。
駆虫薬イベルメクチンの早期投与は、軽症のCOVID-19患者400人の成人の臨床的改善までの時間を大幅には短縮しなかったことが報告されました。
コロンビアのCentrode Estudios en Infectologia Pediatricaの研究者が主導する、単一施設、二重盲検、ランダム化試験では、2020年7月15日から11月30日までの間、発症から7日以内の軽度のCOVID-19の入院患者と外来患者を調べました。
症状が解消するまでの時間の中央値は、イベルメクチンを5日間毎日投与した200人の患者で10日でしたが、プラセボを投与した198人の患者では12日でした。治療開始から21日後の時点で、イベルメクチン群の82%とプラセボを投与された79%は無症状でした。
イベルメクチン群の患者の2%とプラセボ群の3.5%が、臨床的悪化を経験しました。より積極的なケアを必要とした患者の割合またはエスカレートされたケアが必要であった時間の長さにおいて、2つのグループ間に有意差はありませんでした。
また、発熱患者の割合または発熱の長さにも有意差はありませんでした。イベルメクチンは救急科や遠隔医療の訪問を減らしませんでした。
イベルメクチン群の77%とプラセボ群の81.3%に有害事象があり、前者群の7.5%と後者群の2.5%が結果として治療を中止しました。最も一般的な副作用は頭痛でした(イベルメクチン群で52%、プラセボ群で56%)。その他の症状には、咳や嗅覚や味覚の障害などがありました。
各グループの2人の患者が多臓器不全を発症し、最も一般的な重篤な有害事象となったが、いずれの症例も治療に関連するとは見なされなかった。プラセボを投与された1人の患者が死亡しました。
元論文のタイトルは、”Effect of Ivermectin on Time to Resolution of Symptoms Among Adults With Mild COVID-19, A Randomized Clinical Trial”です(論文をみる)。
記事にも書かれていますが、実験室および動物実験では、イベルメクチンがCOVID-19を引き起こすウイルスであるSARS-CoV-2に対して活性があることが示唆されており、コロナウイルス治療ガイドラインにこの薬を含めている国もあるそうです。
多くの症例を集めた本格的な臨床試験の報告はこれが最初かもしれません。期待していただけに残念です。もうすぐ(今年の3月)に終了する予定の北里大学が勧めている臨床研究の結果はどうでしょうか?
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