「発明対価の一部」10億円請求、「事業仕分け」の波紋

「発明対価の一部」10億円請求 前立腺肥大治療薬で

以下は、記事の抜粋です。


山之内製薬(現アステラス製薬)の前立腺肥大症に伴う排尿障害治療薬をめぐり、開発に携わった元社員の男性(66)が「正当な発明対価を受け取っていない」として会社側に10億円の支払いを求め東京地裁に提訴したことが11月11日、分かった。

男性側は、売上高や共同発明者間の貢献度などを基に「少なくとも40億円以上を受け取る権利がある」と主張。うち一部を請求した。同日開かれた第1回口頭弁論で、アステラス製薬は争う姿勢を示した。この薬は商品名「ハルナール」。男性側によると、1993年の販売開始以降、売上高が世界で総額約2兆円に上っており、社を代表する製品としている。

訴状によると、山之内製薬で主に循環器系の薬品開発を担当していた男性は80年、ほかの4人と共同でハルナールの主成分「塩酸タムスロシン」を発明。特許を受ける権利を会社に譲渡したが、今年3月にアステラス製薬から対価として約300万円を受け取っただけという。


この薬物は、高血圧と前立腺肥大の治療に用いられるα1受容体遮断薬で説明したタムスロシン(商品名ハルナール)です。記事に書かれているように、最初タムスロシンは、高血圧を治療する「降圧薬」として開発されましたが、降圧作用が弱く使い物になりませんでした。しかし偶然、この元社員らが動物の尿量が増えることを発見しました。

当時は、α1受容体の分類も不明確で、α1受容体ブロッカーが前立腺肥大治療薬になるなどとは、誰も想像しませんでした。高齢の男性には福音となる大発見だと思います。新薬の開発は、1万種類の化合物の中から1つみつかるかどうかというタフな仕事です。夢を持って開発できるように、1億ぐらいの対価は用意してほしいですね。


【事業仕分け】最先端科学も“敗北” 「スパコン世界一」を否定 ノーベル賞受賞の野依氏憤慨

「事業仕分け」については、いろんなところで波紋が広がっていますが、ホリエモンが「政府に頼るのをそろそろやめないか。」で以下のように、カッコイイことを書いています。


「政府の補助金申請など一度もしたことのない私からすれば、あれだけの巨額予算で食っている人たちがいるんだー!となんだか損したような気分になるのと同時に、補助金なぞを当てにして仕事をしたり研究をするという感覚が全然理解できない。」

「本当に必要な技術ならみんなで稼いだ金で実現しようや。日本の研究機関・大学は研究の事業化について稚拙である。そこで得た利益を研究にフィードバックする仕組みができてない。だから、大学教授は科研費の獲得に汲汲としている。あほらしい。」


「大昔から芸術家や科学者にとってパトロンをみつけることは大問題だったわけですが、税金の元締めをパトロンにするのはなんとなく気持ち悪いですね。みんながそうするし、それがいちばん楽なんだろうし、それを評価の対象にする風潮もあるし。ときどき頭に浮かぶことを、また反芻してしまいました。」これは、ホリエモンのブログに対する私の友人の感想です。

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