「生物多様性」興味ない?締約国会議8割知らず
生物多様性:6割「聞いたことない」--内閣府世論調査
以下に読売の記事を抜粋して貼り付けます。
地球規模で生物種を保全することなどを目的とした生物多様性条約の締約国会議について8割以上の人が「聞いたこともない」と回答したことが1日、内閣府の世論調査でわかった。来年10月には国内では初となる第10回締約国会議(COP10)が名古屋市で開催される予定だが、認知度の低さが浮き彫りになった形だ。
調査は全国の20歳以上の男女3000人を対象に実施され、1919人が回答。締約国会議について知っているかをたずねたところ、84%が「聞いたこともない」と答えた。「知っている」または「聞いたことがある」と回答した計13%の人に、名古屋で開催されることを知っているか聞いたところ、60%は知らなかった。
生物多様性は、生物種だけでなく、その生育環境や遺伝子資源も含めた多様性を意味するが、その言葉の意味を「知っている」と答えた人も13%にとどまった。同条約は1992年の地球サミットで採択。来年の会議には191の条約締約国・地域から約7000人が参加する予定。
同じソースだと思いますが、毎日の記事では、「『生物多様性』という言葉を『聞いたこともない』との回答が61.5%に上った。」とあり、読売の数字と20%以上違います???
ところで、生物多様性条約の第一九条には、「バイオテクノロジーの取扱い及び利益の配分」という条項があり、その3には、「 締約国は、バイオテクノロジーにより改変された生物であって、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に悪影響を及ぼす可能性のあるものについて、その安全な移送、取扱い及び利用の分野における適当な手続(特に事前の情報に基づく合意についての規定を含むもの)を定める議定書の必要性及び態様について検討する。」とあります。
有名な「カルタヘナ議定書」は上の条項に基いて定められました。経産省のホームページによると、条約の目的は、①生物多様性の保全、②その構成要素の持続可能な利用、③遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分、の3つで、アメリカは③に反対して、批准していません。
「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」は、上記議定書にもとづく国内法で、遺伝子組換え生物等が、我が国の野生動植物等へ影響を与えないよう、管理するために定められたものです。
2008年3月以前に、これらの記事と同じような調査を我々の大学で行ったとすれば、どんな結果が出たでしょうか?「正直に答えてもなんのお咎めもない」という条件であれば、やはり認知度の低さが浮き彫りになったと思います。当時の医学部では、「カルタヘナ法」が生物の多様性確保のための法律であることを知らない人が、遺伝子組換え実験従事者の8割以上だったと思います。
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