「朝食を抜くと太る」わけではない

「朝食を抜くと太る」わけではないことが過去28年間の研究を分析して判明
以前、朝食を抜くと体内時計や脂質の代謝のリズムが乱れ、体重が増えることがラットの実験で分かったという、名古屋大の研究チームが報告したという記事を批判的に紹介しました。今日は、「朝食を抜いても太るわけではない」とするヒトの研究報告(メタ解析)の紹介です。以下は、記事の抜粋です。


「減量するには朝食を取ることが大事」「朝食を抜くと太りやすくなる」ということがダイエット関連のメディアでしばしば見られますが、過去28年間の研究を分析した結果、「朝食を規則的に取った方がやせやすい」という結論が得られなかったことが示されました。朝食を取る人はその分の摂取カロリーが増えるという単純な理由から、体重が重くなる傾向にあったそうです。

オーストラリアのモナシュ大学研究チームはアメリカやイギリスにおいて過去28年間に行われた13の臨床試験を分析し、「朝食を抜くこと」「朝食を毎日食べること」が減量にどのように影響するかを調べました。

分析対象となった過去の研究は、被験者に「朝食を規則的に食べる人」と「朝食を食べない人」を含み、13の研究のうち5つの研究は過体重の被験者を、残りの8つはさまざまな体重の被験者を対象としていました。

朝食を取る人は1日の総摂取カロリーが平均260kcal多く、体重が重くなる傾向にあることを発見。一方で朝食を抜く人は平均して0.44kg軽かったそうです。

減量にとって重要なのはカロリー計算であり、朝食を取っている過体重の人はカロリー量を計算し、1日の摂取カロリーと照らし合わせ、朝食をどのくらいのカロリーにすべきなのかを確認すべきとのこと。なお、イギリス栄養士協会は人の毎日の摂取カロリーの20~25%を朝食に宛てるべきだとしています。


元論文のタイトルは、”Effect of breakfast on weight and energy intake: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials”です(論文をみる)。

以前の研究で、「朝食をしっかりとるとやせやすい」という研究結果が出ていたのは、朝食を食べる人は運動といった健康的な習慣を持っていたことや、研究は前提として「1日の総摂取カロリーは同じ」としていたことなどが理由のようです。

以前、名古屋大のニュースを掲載した毎日新聞などはこのニュースも流して、大衆の誤解を解いて欲しいと思いますが、たぶんしないでしょう。

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