日本、IWCから脱退へ 30年ぶり商業捕鯨再開向け
以下は、記事の抜粋です。
政府が約30年ぶりの商業捕鯨の再開に向け、クジラの資源管理を担う国際捕鯨委員会(IWC)から脱退する方針を固めたことが12月20日、分かった。政府関係者が明らかにした。来週にも表明する。日本近海や日本の排他的経済水域内で行う方向で調整している。日本の国際機関脱退は戦後ほとんど例がなく極めて異例。国際社会からルール軽視との批判を浴びることは避けられない。
9月にブラジルで開かれたIWC総会で商業捕鯨の再開提案が否決され、脱退により局面を打開する必要があると判断した。日本は資源が豊富な一部鯨種の商業捕鯨再開を提案したが、反捕鯨国が反発して否決された。
自民党の二階幹事長は、これについて記者団に対し「なぜ日本の食文化に文句を言ったり、高圧的な態度に出たりする国があるのか理解できない。再三再四、『脱退も辞さない』と警告したが、一顧だにされず、われわれが脱退という厳しい判断を下したことは、なみなみならぬ決意であり、理解を得たい。断固とした態度で脱退だ」と述べたそうです(記事をみる)。以下は、このニュースに対するはてなブックマークでのコメントの抜粋です。
●“わが代表堂々と退場す … 連盟よさらば!”再現
●採算ラインに乗らない捕鯨に公金をつぎ込むことでだれも食いたがらない鯨肉の在庫を積み上げるという愚行を継続するべく、世界中から非難される道を選んだ我が祖国日本に乾杯だ。全行程が愚行という凄まじさである。
●日本は本当に先進国なのか?と疑惑の目が強まっている中、よくこんな決定できるな。これじゃクールジャパンどころかクレイジージャパンだ 。
●うへえ。商業捕鯨にしたら採算成り立たないと前から言われているので、何か理屈つけて新しく補助金でも出すのだろうか。沿岸捕鯨に切り替えても存続厳しそうだし資源管理上の問題もあるし先行きどうする。
以下は、米本昌平氏の記事「調査捕鯨は即刻中止すべし:日本の評判を落とし、農林水産省と反捕鯨団
体の懐を潤すだけ」を基に書いた9年前の私のブログ記事からの抜粋です。
世界の外交史上異彩を放つ調査捕鯨
日本国内での議論は、農林水産省とその外郭団体である「日本鯨類研究所(鯨研)」が提供する情報だけでなされている。日本はこれまでに「調査」の名目で、南極海だけで9000頭のミンククジラを捕獲している。
「科学の名を騙る商業捕鯨」との非難
大型野生動物の調査方法は、発信器を付けて行動を追尾するのが普通であり、毎年400~500頭もの鯨を殺害する日本の調査捕鯨は、全く異質の存在である。諸外国からは「科学の名を騙る商業捕鯨」と非難され続けている。これを科学だと強弁し続けることによる日本のイメージ低下は計り知れない。
5億円もの補助金が使われ、多くの天下りも
調査捕鯨を請け負っている「共同船舶」には、鯨研経由で5億円の国庫補助金が付けられているのに加え、農水省の外郭団体である「海外漁業協力財団」から51億円の無利子融資を受けている。これら関係団体は多くの天下りを受け入れている。しかし、なぜか「事業仕分け」の対象にすらならなかったのは、党派ごとに強力な捕鯨議員連盟があるからだ。自民党捕鯨議連には約60人が名を連ねており、民主党の「政策集INDEX2009」には調査捕鯨は正当な権利とするだけではなく、商業捕鯨の復活までが言及されている。
捕鯨・反捕鯨の勢力バランスは絶妙の関係
IWC総会における捕鯨・反捕鯨の勢力バランスは長い間不変で、何も決まらない状態が続いている。実はこの状態こそがすべての関係者にとって好都合なのだ。農水官僚は利権を死守し、反捕鯨組織には世界中から募金が集まり、日本やオーストラリアの国会議員は、IWC総会やシー・シェパードの妨害があるたびごとに奮闘する姿がテレビに映し出されるからである。この構図を念頭に、農水官僚は、愛国的感情を刺激するような情報をその都度流し続けている。
実はダブついている鯨肉在庫
「鯨食は日本の伝統文化」という見解は、日本捕鯨協会が1970年代半ばから「国際ピーアール」という会社を使って振りまいた俗説である。岡田外務大臣までが定例記者会見で「鯨食は日本の文化」とコメントしたが、現在、鯨肉は売れず、在庫はダブついている。
9年前に5億円だった国からの補助金(=税金)はどうなったのでしょうか?
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