禁煙のための電子タバコ、ニコチン依存症での役割
以下は、記事の抜粋です。
電子タバコは、若者の間で一般的なタバコ製品となりつつある。電子タバコには、有害物質の低減や禁煙に効果的であるとのエビデンスもあるが、議論の余地は残っている。電子タバコが、ニコチン依存者の喫煙の減少や禁煙に対してどのように寄与するかは、ほとんど知られていない。ノースダコタ大学のArielle S. Selya氏らは、ニコチン依存症に対する電子タバコの有効性について検討を行った。
若年成人(おおよそ19~23歳)コホートを4年にわたり調査した主な結果は以下のとおり。
●直近ではなく生涯にわたり、高レベルのニコチン依存者における電子タバコの使用は、従来型タバコを同時に喫煙する頻度の少なさと関連していた。
●非依存的な電子タバコの使用者は、未使用者よりも、従来型タバコを喫煙する頻度がわずかに高かった。
●電子タバコ使用者の約半数は、禁煙目的のために電子タバコを使用していた。
●禁煙目的での電子タバコ使用者において、電子タバコの使用頻度は、将来の従来型タバコの喫煙頻度の減少と関連が認められなかった。
著者らは「電子タバコは、高度なニコチン依存を有する若年成人の喫煙者において、禁煙を補助する可能性がある。しかし、非依存者では逆に、非喫煙者の電子タバコ使用は、避けるべきであることが示唆された。多くの若者が、禁煙目的で電子タバコを使用していたが、電子タバコによる禁煙への取り組みは、喫煙減少や禁煙と関連が認められなかった」としている。
私が知っている電子タバコ使用者の多くも、禁煙が目的だと言っています。しかし、この研究の結果は、ニコチン中毒(依存)がいかに強力であるかを示しています。
普通の燃やすタバコを電子タバコに替えても、自分の吸う発がん物質は減るかもしれませんが、ニコチン中毒は治らないし、とっつきやすい電子タバコは、普通のタバコよりも若者をニコチン中毒者にし易いということです。JTにとっては嬉しいニュースでしょう。
おそらく、電子タバコの場合、同じ量のニコチンを摂取するために、同時に吸い込んでしまう発がん物質の量は、燃やすタバコよりもかなり少ないでしょう。また、受動喫煙による害も少ないと思います。だからといって、政府公認でニコチン中毒患者を作って良いのでしょうか?
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