「いずも」空母化が日本のためにならない4つの理由
以下は、記事の抜粋です。
2017年末から、海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」級を、F-35B戦闘機を搭載可能な「空母」として改修する話が相次いで報道されている。3月2日の参議院予算委員会では、小野寺防衛大臣が「いずも」でF-35Bの運用が可能かどうかを調査していることを明らかにした。しかし単刀直入に言って、いずもの空母化や空母建造は自衛隊を弱体化しかねない愚策である。
記事の詳細な紹介は省きますが、せいぜい10機前後の戦闘機しか積めず、対艦弾道ミサイルやドローンの餌食になりやすい航空母艦あるいは航空母艦化した護衛艦に、大きな軍事的な意味はなく、国費の無駄遣いであるという議論に賛成です。
国連の統計に基づいたとする産経新聞の記事によると、2015年の北朝鮮の名目GDPは約162億8260万ドル、約1兆8237億円にすぎないそうだ。一方、内閣府が算出した日本の平成26(2014)年度の名目県内総生産と比べると、北朝鮮は、47都道府県中最下位の鳥取県(1兆7992億円)とほぼ同規模だそうです。政令指定都市でも岡山市(2兆6997億円)を下回っているそうです。
産経新聞の記事はさらに、2015年の米国の名目GDPは、国連統計によると約18兆366億ドル(2020兆1046億円)で、北朝鮮の1000倍以上で、日本も538兆4458億円で、約295倍となっており、北朝鮮の軍事費のGDP比が約24%と、米国の3.8%や日本の1%と比べてはるかに高いけれども、実額ベースでは米国の100分の1以下にとどまるため、「米国と戦争するのは『自殺行為』だ。敗北と金体制の崩壊は、ほぼ間違いない。」と結論しています。
しかし、米韓両大統領を手玉に取とる金正恩の腹の内のような記事を読まなくてもわかるように、北朝鮮が力を入れる「火星15」型ミサイルなどの軍備は、「いずも」の空母化に欠けているとされる政治的効果と軍事的効果を十分に併せ持っています。上の計算を少し進めると、北朝鮮の軍事費は4377億円で、日本の軍事費は5兆3845億円です。
上に紹介した記事には。「要するに『いずも』『かが』を空母化すれば、約38億ドル(約4000億円)の予算がかかるのである。これは日本の年間防衛費の7.7%に匹敵するコストである。」と書かれています。これから逆算すると日本の年間防衛費は5兆1948億になり、上の計算とほぼ一致します。ということは、「いずも」などの護衛艦の空母化は北朝鮮の軍事費全体とほぼ同額であることを示しています。
たぶん、「いずも」空母化の目的はお金を使うことで、軍事的効果などではないのでしょう。
海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」
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