iQOS(アイコス)はタバコのリスクを減らしているのか?

最近、タバコを止めてiQOS(アイコス)に替えたという数人のヒトに会いました。それまで私はiQOSを知らなかったのですが、彼らはタバコよりも健康に良いと思っているようでしたので、本当かなと思って調べてみました。以下の記事は、ヤフーニュースに掲載された最新のものです。

医師が考える。加熱式タバコ「iQOS(アイコス)」は健康的なのか?
以下は、記事の抜粋です。


「アイコスでタバコが止められたから禁煙成功!」と話している人までいるようですが、医師として結論からいうと、アイコスでは禁煙になりません。

アイコスの健康に関しての答えは、通常のタバコのパッケージに書かれているように「肺がんの原因のひとつとなり、心筋梗塞や脳卒中の危険性や肺気腫が悪化する危険性を高める」と明記されています。

また、未成年は決して吸ってはいけないことや、副流煙の危険性についてもタバコと同様の注意がきちんと書かれているのです。

タバコ葉を加熱するために、ニコチンをはじめとする様々な物質を摂取することには変わりがありません。ニコチンの依存性は極めて強いので、アイコスだけでもやはり止めづらいのに変わりはないようです。長期にわたって吸い続けると、重篤な健康被害を自分自身だけでなく周囲にも及ぼしかねないという点は、アイコスも通常のタバコと同じということでした。

おしゃれなデザインと質感で、なんとなく物欲も刺激されるデバイスではありますが、やはり、本当の意味での健康を手に入れて生活したい方に対しては、医師としてはアイコスも含めた禁煙を強くお勧めいたします。


もっともらしい見解ですが、友人の医師に聞いたら、「そらぁ、タバコよりはマシでしょう。」と言われたので、もう少しネットを探して以下の記事を見つけました。

iQOS(アイコス)はタバコのリスクを本当に減らしているのか 臨床試験の結果を調べてみた

この記事をみて、ヤフーニュースの記事の主旨は、2016年4月に出された「いわゆる『新しいタバコ』に対する日本禁煙学会の見解」とほぼ同じであることがわかりました。その見解を以下に紹介します。


1)紙巻きタバコと同様にニコチンが含まれる。
したがって、呼気にもニコチンが含まれ、受動喫煙による急性心筋梗塞などのリスクがある。
2)紙巻きタバコと同様に種々の発がん性物質が含まれる。
したがって、肺がん・口腔がん・胃がん・腎臓がんなどのリスクがある。
3)紙巻きタバコと違い、発生する有害物質が見えにくい。
したがって、周囲の人々は受動喫煙を避けられず、かえって危険である。
4)「WHO タバコ規制枠組条約」(FCTC)の第6回締約国会議が決議したように、喫煙者をタバコの健康被害から守り、その呼気から非喫煙者の健康を守らなければならない。
5)すべてのレストランやバーを含む公共の場所・公共交通機関での使用は認められない


確かにブログ著者の「もやもや」氏が「iQOSはタバコと同様に有害物質を含んでいるから吸わない方がいい!(ドヤ)」、という、そんなのiQOSを吸ってる人なら全員知ってるよという見解です。しかし、同じブログ記事に掲載されているiQOSの臨床試験の結果は、以下のように要約されます。


●iQOSでは有害性物質は90%以上低減している
●iQOSでは毒性試験において毒性が90%以上低減している
●iQOSでは臨床試験において有害物質の暴露がかなり低減されている
●マウスにおいて、心血管系疾患のリスクが低下している


これらを総括して、「もやもや」氏は以下のように結論しています。


今のところ、紙タバコよりはマシ、少なくとも紙タバコと同程度、ぐらいには考えてもいいのではないでしょうか。

もちろん、これだけのデータでは、やはり結論を出すことはできませんが、フィリップモリスもハームリダクションを目指してiQOSを紙タバコの代替品にしたいのであれば、多少都合の悪いデータでも多くのデータを公開してほしいなと思います。

そして、一番知りたいのは、人におけるiQOSと紙タバコの長期予後に関するランダム化比較試験(RCT)ですよね。

まぁでもその時には僕は死んでいる可能性は高いですけれども。


ニコチンはたっぷり含んでいそうなので、依存性はあると思います。そのために、タバコからの移行は難しくないでしょう。私はフィリップ・モーリスの回し者ではありませんが、彼らの出しているデータが正しいのであれば、依存性は別として、有害性や毒性はタバコよりもマシという意見に賛成です。

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