台所のスポンジ、菌まみれでも心配無用な理由
以下は、記事の抜粋です。
米紙ニューヨークタイムズをはじめとする多数のメディアが、私たちがキッチンで使用しているスポンジは「細菌の温床」であり、頻繁に交換すべきだとする調査結果を報じた。だが、スポンジが無菌である必要はあるのだろうか?
深刻な免疫障害を持つ人ではない限り、あまり心配する必要はない。
報じられた調査結果では、菌の中には消毒をしても生き延びるものがあり、それらが容易に再繁殖するということだ。それでも、それが有害だということを示す証拠はない。
調査で見つかった細菌の一つであるアシネトバクター属菌は傷口から感染することが多く、集中治療室の患者などにとっては危険性があるが、健康な人に問題を起こすことはない。
さらに、スポンジに多く付着していた菌の大半はヒトの皮膚の常在菌だ。サルモネラやカンピロバクターなどの菌やその他の食中毒を引き起こす微生物は発見されなかった。
忘れてはならないのは、人間は無菌の環境で生きているわけではなく、私たちや周囲を取り巻く環境の何もかもが、細菌で覆われている。それが正常な状態なのだ。
私たちは電話やドアノブに触れることで、または握手をしたりキスをしたり、セックスをしたりすることで常に他人と細菌を「共有」している。
携帯電話には便座の10倍にあたる細菌を付着しているとの結果が示されている。そのほか、歯ブラシ、電話、キーボード、マウス、靴、ショッピングバッグなどには多くの最近が付着していることが確認されている。
電子レンジでの加熱や食器洗い乾燥機など方法を用いても、スポンジを滅菌することはできない。ただ、そうする必要は元々ない。多数の細菌に取り囲まれた通常の環境が私たちの免疫力を高め、アレルギーや喘息の症状の改善につながっていることを示すデータも数多くある。
「今回の調査結果の扱い方は無用の不安をあおるメデイアのから騒ぎといえるだろう」という記事の意見に賛成です。便座の紙シートに科学的根拠がないのと同じレベルでしょう。
腸内細菌が我々が健康で生活するのに不可欠であるように、皮膚や口腔内の常在菌の多くは、ヒトと平和に共生しているだけではなく、何らかの有益な働きをしている可能性があると思います。どなたか、このような仮説の科学的根拠をご存知でしたら、お教えください。
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