メトホルミン使用と認知症リスク低下が無作為化試験の長期追跡で関連
以下は、記事の抜粋です。
無作為化試験の被験者の22~24年間の追跡で、メトホルミン使用と認知症リスク低下が関連しました1,2)。
1950年代の終わりごろに2型糖尿病(T2D)治療に使われるようになったメトホルミンはいまだにその第1選択薬の座にあり、2022年の調べでは世界のおよそ1億5千万例が日々メトホルミンを服用しています3)。
米国・ニューヨーク市のコロンビア大学のJose Luchsinger氏らは、1990年代後半に3千例超(3,234例)を募ったDiabetes Prevention Program(DPP)試験とその後継試験の合計20年を超える追跡結果を使って、メトホルミンが果たして認知症リスクを下げるかどうかの検討を試みました。
DPP試験には血糖値が高めでT2Dを生じる恐れが大きい25歳以上の成人が参加し、メトホルミン、プラセボ、低カロリー/低脂肪食や定期的な運動を実行する強力な生活習慣介入(intensive lifestyle intervention:ILS)のいずれかの群に割り振られました。2002年にNEJM誌に掲載された解析でメトホルミンやILSのT2D予防効果が裏付けられ、試験の本来の目的を達成しました10)。
DPP試験の被験者の9割近い2,779例は同試験に続くDPP Outcomes Study(DPPOS)に参加し、全員がILSを受けました。また、DPP試験でメトホルミンに割り振られた被験者は、DPPOS試験でメトホルミン使用を2021年まで続けることができました。
その翌年以降の2022~24年に認知機能が十分に検討できた被験者1,483例(年齢中央値:74歳)を解析したところ、メトホルミン使用患者の認知症の発生率がプラセボやILSに割り振られた患者に比べて6割ほど低いことが示されました。メトホルミン、プラセボ、ILS群の認知症の発生率はそれぞれ1.9%、3.5%、4.2%でした。
認知機能異常の割合が低かったことを試験の難点として著者が言及しているとおり、解析対象の1,483例のうち認知症になったのはわずか48例(3.2%)のみでした。そういう欠点があるとはいえ数十年もの患者追跡は希少で貴重であり、今回の結果はメトホルミンの予防効果を一層裏付けたとKarolinska Instituteの認知症研究者Miia Kivipelto氏は述べています2)。
今やLuchsinger氏は最も一般的な認知症のアルツハイマー病をメトホルミンで防げるかどうかを18ヵ月間の無作為化試験で調べています。試験はMetformin in Alzheimer’s Dementia Prevention(MAP)と呼ばれ、糖尿病ではない健忘型軽度認知障害(aMCI)患者326例が組み入れられています11)。
Kivipelto氏は生活習慣介入単独やそれに加えてメトホルミンも服用することで認知症を減らせるかどうかを調べる無作為化試験を率いています。MET-FINGER12)と呼ばれるその試験の結果は再来年2028年に判明する見込みです2)。
メトホルミン(商品名:メトグルコ)は、これまでもAnti aging効果などでも紹介してきました。「2型糖尿病(T2D)治療に使われるようになったメトホルミンはいまだにその第1選択薬の座にあり」と書かれている評価の高い薬ですが、不思議なことに日本では、腎機能が良くても処方されていない場合が少なくないです。



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