花火は野生動物への「死刑宣告」のおそれ、どういうこと?…千羽以上の鳥が大量死したケースも、専門家らが警鐘
以下は、記事の抜粋です。
2025年1月1日、あるハイカーが恐ろしい光景に遭遇した。雪に覆われたハイキングコースのあちこちに千羽を超える鳥が落ちていたのだ。ほとんどが若い鳥だった。ブルガリア、スレドナ・ゴラ山脈での出来事だ。
その後行われた調査で傷、打撲、羽毛の欠落や内出血、翼の骨折などが確認され、大量死の原因は前夜に近隣の街で行われた花火大会であるという結論が下された。鳥たちは音に驚いて逃げ出し、木や別の鳥にぶつかったようだ。
こういった事故は頻繁に起きていると考える専門家は多いが、記録が残っているものは少ない。その理由について、野生動物の保護やリハビリを行っている人には、動物のケガや死と花火のつながりが見えないことが多いからだと、イリノイ大学のステファニー・ルイス氏は言う。
実際のところ、野生動物が花火でパニックを起こしたり、方向感覚を失ったりすると、ケガや死に至ることがあると、専門家たちは述べている。大きな爆発音のせいで、育てている子どもとはぐれてしまったり、ストレス障害が起きたりすることもあるという。
光と音におののく鳥たち
イヌが花火を怖がることはよく知られている。また、花火の音に驚いて逃げ出すペットがいるため、米国では独立記念日の花火大会の翌日になると、保護施設が受け入れる動物の数が増えるという。
花火が鳥に与える影響に注目した研究も多く行われている。2022年に発表された論文は、大晦日の花火がハイイロガン(Anser anser)の「著しいストレス反応」を引き起こし、鳥の心拍数と体温が大きく上昇すると結論づけている。エネルギーを消費させるこの生理的反応は「負担が大きい」という。
2025年には、ドイツのベルリンで調査を行った研究グループが、大晦日の花火の影響で、複数のカラス科の行動に変化が見られたことを報告した。たとえば、夜の飛行パターンが変則的になる、いつもの巣を使わないといった行動が見られたという。
専門家によると、このような突発的な反応は事故につながりがちだ。ルイス氏は、花火は鳥を驚かせると述べる。巣で寝ているとき、休んでいるとき、木に止まっているときなどは、特にその影響が大きい。
「鳥はパニックを起こして飛び立ち、窓や建物、木などにぶつかるのです」とルイス氏は言う。そして深刻な傷を負ったり、死んだりすることになる。
フクロウのような鋭い聴覚を持つ鳥にとって、花火の爆発音はとりわけ厄介なものになると、ニューメキシコ野生動物センターのアナ・トビン氏は述べる。
米国では7月4日の独立記念日の花火大会は、特に大きな問題になっている。若鳥の羽が生えそろい、巣を離れて飛び方を学ぶ巣立ちの時期の中盤から後半と重なるからだ。これは鳥にとって自然な成長過程であるにもかかわらず、花火によって余計なストレスが加わることになる。
逃げようとする本能、夏ならではの問題も
鳥ほど研究は進んでいないが、ほかの野生動物も花火の影響を免れることはできない。
ルイス氏によると、ウサギやシカなどの被捕食動物は、大きな音などの危険の兆候を感じると、本能的に逃げ出そうとする。「特に日没後は、柵にぶつかるなどのトラブルに巻き込まれる可能性が高まります」
大きな音による方向感覚の喪失によって、親が子とはぐれる可能性もある。これは繁殖率の低い動物には致命的だ。親とはぐれた子どもは、簡単に餓死したり捕食されたりしてしまう。
夏の花火大会は、多くの爬虫類や哺乳類の子どもが育ち、野生環境での生き方を学ぶ時期と重なることが多い。
そのような時期に花火のストレスが加わることで、成長が止まる、パニックを起こして何かにぶつかるといった問題が起きる可能性がある。
「人間も動物も同じですが、ストレスを受けると、コルチゾールが増加します。これによって免疫機能が損なわれ、長期的な悪影響が生じる可能性があります」
ルイス氏によると、繰り返しストレスを受けると、「捕獲性筋障害」と呼ばれる症状が出ることがある。野生動物が人間に捕獲された場合など、極度のストレス下に置かれた場合、この生理学的・病理学的な反応が起こり、深刻な筋肉の壊死や臓器の損傷につながることがある。
すべての野生生物に思いやりを
ソルトレークシティーやボールダーといった町では、数年前から花火大会の代わりにドローンショーを開催している。LEDライトを搭載した数百台のドローンを連携させて実現する光の空中ショーで、音楽に合わせて巨大な立体映像を映し出す。
ドローンショーなら、騒音や汚染を減らし、山火事のリスクをなくせる。シーガー氏は、「唯一のトレードオフは、高周波ノイズです」と言う。ドローンが発する音の周波数はかなり狭い。それでも、カモメなどは、もっとも敏感な音の周波数帯がドローンの周波数帯と重なっている。
「イヌはドローンが大嫌いです。人には聞こえないけれど、おそらくイヌには聞こえる高い音が出ているのです」
ルイス氏は、花火を完全にはなくせないだろうと考えているものの、森や湿地、営巣地、州立公園や国立公園、自然保護区などの近くでは打ちあげを控えるよう呼びかけている。
「最低でも、そういった場所から1.6キロ(1マイル)は離れるべきです。特に海鳥や浜鳥の営巣地は広く、とても見えやすい場所にあります。まわりにいるすべての野生生物に対する思いやりを持つのは、とても大切なことだと思っています」
花火が動物のケガや死をひきおこすなどとはまったく考えたこともありませんでした。日本でも同じことが起こっているはずです。花火大会のたびに鳥が減っているというのは、、、



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