勃起不全治療薬を心血管系や脳に効果がある「としてインフルエンサーやオンラインクリニックが宣伝している
以下は、記事の抜粋です。
近年は長生きしたがる人々をターゲットにした「長寿産業」が盛んです。そんな中、一部のインフルエンサーやオンラインクリニックは勃起不全(ED)治療薬である「タダラフィル(シアリス)」を長寿薬として宣伝しているとのことで、海外メディアのNPRが専門家の意見なども交えて報じました。
シアリスは日本でもED治療薬として処方されている一般的な薬で、肺動脈性肺高血圧症や前立腺肥大症による排尿障害などにも使用されています。シルデナフィル(バイアグラ)との主な違いは、シアリスは翌日になっても作用が持ち越されるという点です。
近年発表されたいくつかの大規模な研究では、シアリスを服用している男性は心血管疾患のリスクや死亡率が低いだけでなく、場合によっては認知症を発症する可能性も低いことが報告されています。これらの研究結果はあくまで観察研究であり、シアリスと死亡率などの関連性を調べることはできても、「シアリスを服用することで死亡率が下がる」といった因果関係を証明することはできません。
これらの研究結果は、オンラインでの長寿に関する議論で注目を集めています。すでにスタンフォード大学のアンドリュー・ヒューバーマン氏や、ブライアン・ジョンソン氏らなどのインフルエンサーが、シアリスを性行為以外の目的で服用するアイデアを提唱しています。
女性にも賛同者は存在し、長寿に関するインフルエンサーのクリスティー・サウィッキー氏は、「シアリスは無害に思えます。むしろ血流を促進する効果があり、脳や心臓にとって良い影響を与えるでしょう」とコメントしています。
実際にサウィッキー氏は、オンラインクリニックを通じ、1年前からシアリスを服用し始めているとのこと。サウィッキー氏の家族には心臓病の既往歴があるため、シアリスは心血管系の健康を保つ手っ取り早い方法だと感じているそうで、ジムでのトレーニング効果向上といった効果も実感していると語りました。
シアリスやバイアグラには血管を拡張して血流を改善する効果があります。この効果は特定部位だけでなく全身に作用するとのことで、これが心血管疾患のリスク低下などに関係している可能性があります。
南カリフォルニア大学のロバート・クローナー博士らが行った研究では、シアリスを服用した8000人以上の被験者は対照群と比較して、心血管疾患による死亡率が55%低く、全死因による死亡率が44%低いことがわかりました。
また、合計50万人以上を対象にシアリスやバイアグラの影響を調べた別の研究では、シアリスを服用した人において認知症リスクが32%低下したことが示されました。
クローナー氏らの研究者は、これらの結果はあくまで観察研究に基づいたものであるため、結果は慎重に解釈するべきだと強調しています。ED治療薬を求める男性の死亡率が低いことには別の要因が関わっている可能性もあるほか、女性への影響も十分に研究されていません。その上でクローナー氏は、「シアリスは心臓専門医が日常的に推奨している薬ではありませんが、これらの薬は一般的に非常に安全です」と述べています。
しかし、クリーブランドクリニック心血管胸部研究所のスティーブ・ニッセン博士は、「有害性の証拠がないからといって、有害性がないとは限りません。無作為化比較試験のデータがない状況では、正当化するのは非常に難しいといえます」と語りました。
正式な勧告はされていないものの、2026年6月のEDや心血管系の健康に焦点を当てた専門家会議は「動脈プラークの蓄積により心血管疾患を発症するリスクが高い一部の男性にとって、低用量シアリスは適切である」という合意に達したとのこと。
否定的な記事かと思ったら肯定的でした。いずれにしても、タダラフィルに「長寿」効果があるかどうかをヒトの無作為化比較試験で調べることはほとんど不可能です。この議論はずーっと長く続くと思われます。


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