高齢者の貧血で認知症発症リスクが約1.66倍に上昇
以下は、記事の抜粋です。
認知症を発症していない高齢者を対象としたコホート研究において、貧血は横断的にアルツハイマー病(AD)バイオマーカー値の上昇と関連し、縦断的には認知症発症リスクの上昇と関連していたことを、スウェーデンのMartina Valletta氏らが明らかにした。
対象はベースライン時点で認知症を発症していない60歳以上の参加者で、2001年から2019年まで年齢に応じて3年または6年ごとに追跡された。貧血はWHOのヘモグロビン値の基準(女性12g/dL以下、男性13g/dL以下)で定義した。
主要アウトカムは、認知症の発症、リン酸化タウ217(p-tau217)、神経フィラメント軽鎖(NfL)、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)の血清濃度であった。統計解析にはCox比例ハザード回帰および分位点回帰を用い、さらにヘモグロビンとADバイオマーカーの組み合わせによる認知症発症リスクの関連も検討した。
主な結果は以下のとおり。
・ベースラインで認知症を発症していない2,282例(年齢中央値72.2歳、女性61.6%)を解析対象とし、うち199例(8.7%)が貧血であった。
・平均9.3年の追跡期間中に362例(15.9%)が認知症を発症した。
・貧血群は、非貧血群と比較して認知症発症リスク(HR)が66%高かった。
・ヘモグロビン値と認知症リスクの関係は非線形であり、約14g/dLを下回るとリスク上昇がみられ、それ以上では頭打ちとなった。
・貧血群は、p-tau217(β=0.22、95%CI:0.15~0.30)、NfL(β=0.25、95%CI:0.19~0.31)、GFAP(β=0.08、95%CI:0.03~0.12)の血清濃度が高かった。
・貧血とADバイオマーカー高値が併存する群では、いずれも正常な群と比較して認知症リスクはさらに高かった(貧血+高NfLのHR:3.64)。
・これらの関連は男性でより強い傾向がみられた。
元論文のタイトルは、「認知症の発症における貧血とアルツハイマー病の血液バイオマーカー」です(論文をみる)。
「お茶が身体に良い」という話を聞いて、四六時中緑茶を飲んでいた70歳代の女性のヘモグロビン値が7台だったことがありました。少し階段を登っただけでものすごく疲れたそうです。幸い、鉄剤による治療とお茶を水に変えることで貧血は治りましたが、この記事を読んで認知症が心配になりました。
鉄分の吸収を阻害するお茶の主な原因は「タンニン」で、緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー、赤ワインなどに多く含まれます。食事中や食後30分〜1時間は避け、麦茶、ほうじ茶、ルイボスティーなどのタンニンが少ない飲み物を選ぶのが、貧血対策として推奨されています。少しぐらいの摂取は問題ないと思いますが、気を付けてください。


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