オゼンピックのようなダイエット薬は服用中止後も減量した体重の一部はリバウンドせず維持される
以下は、記事の抜粋です。
肥満は2型糖尿病や心血管疾患、がんといった病気のリスクを高めます。近年は肥満の治療にオゼンピック(セマグルチド)などの薬が用いられるようになっています。新たな研究では、たとえ減量薬の服用を中止したとしても、減量した体重の一部は1年以上経過しても維持されるとの結果が示されました。
オゼンピックやウゴービといった減量薬は、脳に満腹感をもたらして食欲を抑えるGLP-1というホルモンの働きを模倣し、臨床試験では元体重から15~20%の減量効果が期待できると示されています。しかし、これらの減量薬には吐き気などの副作用があるほか、価格や処方上の問題もあることから、患者の約半数は1年以内に、4分の3は2年以内に服用を中止してしまうとのこと。
ケンブリッジ大学のブラジャン・ブディニ氏らの研究チームは、オゼンピックのような減量薬の服用を中止した後の患者を最大52週間追跡した6件のランダム化比較試験を選択し、これらのデータを用いて服用中止後の体重変化をモデル化しました。なお、絞り込まれた6件の研究に含まれていた患者は、合計3200人以上に達していたとのこと。
作成されたモデルでは、患者が減量薬の服用を中止した直後は急速に体重が増加するものの、徐々にリバウンドの速度は鈍化することが推定されました。服用中止から52週間後には減量分の60%がリバウンドしていましたが、60週目には体重増加が横ばいになり始め、減量分の75%を回復したあたりで停滞すると予測されています。
以下のグラフは、縦軸が「減量薬によって減少した体重の何%が戻ったか」を示し、横軸が「減量薬の服用中止から何週間が経過したか」を示しています。色の付いた線がモデルの作成に用いられたランダム化比較試験のデータで、黒色の線が作成したモデルが示す体重変化の軌跡です。服用中止の直後はほぼ直線的に体重が増加していたものの、次第に増加のスピードが緩み、1年が経過した頃には増加速度が停滞し始めていることがわかります。
研究チームは減量薬の服用中止後から1年が経過しても元の体重に戻らない理由について、より健康的な食習慣を身につけるのに役立っている可能性があると指摘。また、減量薬がホルモンレベルを変化させ、脳の食欲制御メカニズムをリセットするなど、長期的な影響を与えている可能性もあります。
なお、オゼンピックのような減量薬については「減量した体重の40~60%は筋肉である」とする研究結果も報告されるなど、体組成に悪影響をもたらす可能性も懸念されています。
元論文のタイトルは、”Trajectory of weight regain after cessation of GLP-1 receptor agonists: a systematic review and nonlinear meta-regression(GLP-1受容体作動薬の中止後の体重再増加の経過:系統的レビューおよび非線形メタ回帰分析)”です(論文をみる)。
記事には書かれていませんが、現在最も使われているのは、マンジャロ(一般名:チルゼパチド)で、GIPとGLP-1の2つの受容体に作用し、血糖低下と高い体重減少効果が特徴です。この薬についても、脂肪だけではなく筋肉を減らすとされています(記事をみる)。服薬中の筋トレなどがどの程度有効なのか知りたいです。

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