頭突きによるウシの外傷性脳損傷の証拠
以下は、論文要約の抜粋です。
外傷性脳損傷（Traumatic brain injury, TBI）は、神経学的障害や死亡の主要な原因であるが、いまだ十分に解明されていない。げっ歯類のモデルはまだ臨床的な治療法を生み出すには至っておらず、より大規模で多様なモデルの探求は比較的乏しい。
われわれは、闘争的なウシ科動物2種を用い、頭突き後の脳損傷の可能性について、免疫組織化学とステレオロジカルな定量化により神経形態学と神経病理学を評価することにより調査した。ジャコウウシ（Ovibos moschatus、n = 3）とオオツノヒツジ（ビッグホーン、Ovis canadensis、n = 4）の死後脳を高解像度MRIで分析し、TBIの証拠を組織学的に処理した。組織学的プロトコールにより、前頭前皮質と頭頂皮質のニューロン、ミクログリア、アストロサイトの潜在的な異常を調査した。リン酸化タウ蛋白は、脳脊髄液中や神経変性病変にみられるTBIのバイオマーカーであり、慢性あるいは急性TBIの細胞性影響の可能性を検出するために用いられた。
MRIでは異常な神経病理学的変化は認められなかった。しかし、多量のタウ免疫反応性神経糸集団、神経突起、神経細胞が新皮質の表層に集中しており、ジャコウウシでは溝の底に好発し、時には血管の周囲にも見られた。オオツノヒツジでは、タウ免疫反応性病変はまれであった。さらに、ミクログリアとアストロサイトは、いずれの種においてもタウ免疫反応性細胞の周囲に集団化を示さなかった。
我々の予備的知見から、ジャコウウシやおそらく他の頭突きをするウシ科動物は、慢性あるいは急性の脳外傷に苦しんでおり、オスの厚い頭蓋骨が彼らをある程度保護している可能性があることがわかった。
ヒトのオスの頭蓋骨は薄いので頭突きはやめた方が良いと思います。お相撲さんが心配です。横綱審議会とか相撲協会のお偉方は頭突きなどやってないはずですが、、、
ジャコウウシ
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