週100球以上の投球で肩障害リスク―10代スポーツ選手で
以下は、記事の抜粋です。
若いアスリートが週100球以上の投球をすると、肩峰のapophysiolysisという痛みを伴うオーバーユース障害のリスクが生じ、これが正常な肩の発達を妨げ、腱板断裂など他の障害につながる可能性があることがわかった。
トーマス・ジェファーソン大学のJohannes Roedl氏らの研究で、論文がRadiologyに10月14日掲載された。
肩峰は思春期に4個の骨が癒合して発達するが、25歳未満の肩峰のオーバーユース障害は後の不完全な癒合に関連するという。Roedl氏らは、肩痛を訴えて1988~2012年にMRIを受けた15~25歳の男女2,372人の記録を検討した。ほとんどが野球またはソフトボールの投手であった。
この患者群と無症状群を比較し、投球歴を調べたところ、練習と試合における100球超えのオーバーヘッドでの投球が症状発症の大きな危険因子であることがわかった。患者群では40%が週100球超を投げており、対照群では8%のみだった。
少なくとも2年以上経過し、選手が25歳以降になってから、MRIまたはX線画像の撮影を行った。その結果、肩峰の不完全な癒合が障害のあった選手の86%で見られたが、健康な選手では4%のみだった。患者群の3分の2超、健康な群の29%に腱板断裂が見られた。
元論文のタイトルは、”Acromial Apophysiolysis: Superior Shoulder Pain and Acromial Nonfusion in the Young Throwing Athlete”です(論文をみる)。
1週間に100球以上を投げると、加齢と共に肩峰骨端癒合不全(Os acromiale)や肩回旋筋腱板断裂(rotator cuff tears)に発展する可能性のある肩峰のapophysiolysisという状態になるリスクが6.5倍になる、という結果をどう評価するかだと思います。
25歳未満といえば、高校野球だけではなく、大学やプロ野球選手も含まれます。このような報告は、高校野球だけでなく大学やプロで活躍したピッチャーが後で学校や球団、あるいは監督やコーチを訴える場合の根拠として使えるかもしれません。
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