以下は記事の抜粋です。
南極のアデリーペンギンに小型ビデオカメラを取り付けて、ペンギンの目線でエサをとる様子を観察することに成功したと、国立極地研究所が1月22日、発表した。
研究チームは、重量わずか33グラムのビデオカメラと加速度計、深度計、温度計を取り付け、ペンギンがオキアミなどのエサをとろうとするときに何を見ているかを正確に観察することに成功した。
研究を行った渡辺佑基助教は、ペンギンがとろうとするエサの種類によって取り方を変えていることに驚いた、と語った。渡辺氏によると、加速度計を使ってペンギンの頭の動きを正確に測定することで、ペンギンが1秒以内に2匹のオキアミを捕える能力を持つことが分かったという。
今回の研究では、アデリーペンギンのエサの種類と食べる量を突き止めた。ペンギンがどのように生き、どのように周囲の環境と関係しているかが分かったという。
南極なう!特別編 渡辺佑基「ペンギンカメラでついに大発見!」に詳しい記事があります(記事をみる)。この観察結果は論文にまとめられ、PNASに掲載されています。そのタイトルは、”Linking animal-borne video to accelerometers reveals prey capture variability”です(論文をみる)。
渡辺さんは掲載について、「PNASは多くの研究者にとって憧れの権威ある科学雑誌であり、私なんかに手が届くはずがないと思っていたので(おそらく駄目だろうと思いながら投稿したのである)、正直いってうれしくてしょうがない。」と述べています。
論文の意義について、「南極のアデリーペンギンに小型ビデオカメラと行動記録計の両方をとりつけ、ふたつの情報をうまくリンクさせることにより、ペンギンがいつ、どこで、どんなエサを捕えていたかを明らかにすることができた。この論文の最大の意義は、野生動物のエサ取りの行動を初めて長時間にわたってモニタリングできた点にある。」としています。いずれにしても、本当に楽しく研究している姿をみると私まで幸せな気持ちになります。下に彼が撮影した動画を紹介します。
ペンギンぱくぱく オキアミ編
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