米国FDAが肥満症治療剤「BELVIQ®」を承認/エーザイ
以下は、記事の抜粋です。
エーザイは、Arena Pharmaceuticals(アリーナ社)が6月27日、BELVIQ®(ロルカセリン)について、BMIが30以上、または少くとも1つ以上の合併症を患うBMIが27以上の成人患者の体重管理を目的とした食事および運動療法の補助療法として、FDAより承認を取得したと発表した。米国における肥満症治療の処方薬としては13年ぶり。
本剤の発売にあたっては、創製したアリーナ社が生産し、当社の米国子会社であるエーザイ・インクが販売活動を行う。
本剤は、選択的に脳内セロトニン2C受容体を刺激することにより摂食を抑制し体重を減少させると考えられている。3つの二重盲検、無作為化、プラセボ対照臨床試験において、食事制限および運動に加えて本剤を服用した患者群が、食事制限および運動のみの患者群と比較して、1年後に5%以上体重が減少し、2年間体重減少を維持した患者数は有意に多く認めらた。
本剤は、米国麻薬取締局によるスケジュール審査が完了した後に発売される。また発売後に、ポスト・マーケティング・スタディとして、小児の肥満患者における有効性・安全性に関する臨床試験、および、長期投与による心疾患または複数の心疾患リスクを持つ過体重又は肥満の患者における心血管系副作用の発症頻度に関する臨床試験を実施することが義務付けられている。
アメリカの記事によると、ガイドラインでは、BELVIQ®を飲んで12週間治療しても体重が5%減らなかった場合は使用を中止することになっているそうです(記事をみる)。
関連記事で紹介したように、ロルカセリン(BELVIQ®)は、Vivus社のQnexa®と一緒に(?)FDAの承認を待っていました。その他にも武田とOrexigen社のコントレイブ®(Contrave®、ナルトレキソン(naltrexone)とブプロピオン(bupropion)の合剤)もFDAの承認を待っています(記事をみる)。おそらく3つとも承認されることになると思いますが、これまでの記事に書いたように、どの薬にもいろいろと問題があります。
本剤の承認は、アメリカ社会における肥満問題の深刻さを反映していると思います。
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