メスのタコは気に入らないオスダコを貝殻などを噴射して追い払う

メスのタコが交尾を求めるオスに貝をぶつけて追っ払ったという報告
以下は、記事の抜粋です。


タコは水中で自由に遊泳するために、漏斗と呼ばれる器官を体に備えています。タコは漏斗で水を噴射し、ジェット水流で任意の方向に進むことができるのですが、この漏斗で貝殻や泥、藻類などを噴射することもあります。タコは邪魔な物や巣を作る材料を動かす目的のほか、他のタコを追い払おうとして貝殻などを噴射しているのが確認されたとのこと。

地域に生息するタコの性別の割合は、オスとメスが約1.7~5対1。他のタコに物を噴射した回数の割合はオスが11回、メスが90回と、メスの方がはるかに物を噴射する割合が高いことが分かりました。一部のメスの個体は貝殻や泥を足に絡め、交尾を迫ってくるオスのタコめがけて噴射していたとのこと。その回数は、多い時には1時間で17回でした。

タコが交尾の阻止や威嚇、接近による反応などで物を噴射する時と、邪魔な物を噴射する時では噴射の方法が異なっていたことから、社会的相互作用を目的として意図的に物を噴射していると推測。噴射回数を目的ごとに分類したところ、社会的相互作用を目的とした噴射が全体の36%、巣の掃除が32%、食事後の残飯の噴射が8%という結果が得られました。


元論文のタイトルは、”In the Line of Fire: Debris Throwing by Wild Octopuses”です(論文をみる)。タコも道具を使うようですが、この論文はまだ査読を受けていません。メスがぶつけようとした貝殻などがやり手のオスには命中せず、他のタコにあたってしまうことが多いのは興味深いです。

以下は論文に載っている写真です。

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