新型コロナの唾液PCR検査、無症候者へは推奨できない?/JAMA
以下は、記事の抜粋です。詳細は元論文をご覧ください。
鼻咽頭スワブによるRT-PCR法は新型コロナウイルス検出のための標準検査として行われているが、唾液を用いたPCR法は鼻咽頭によるPCR法より簡便であることから診断・スクリーニングにおいて魅力的な代替手段である。現に日本国内においても帰省や出張の前に検査を希望する人らが市販の唾液PCR検査キットに依存する傾向にある。
しかし、米国のZion Congrave-Wilson氏らが調査した結果によると、唾液を用いたPCR法(以下、唾液PCR法)は、感染初期の数週間に有症状の人の新型コロナウイルスを検出するには感度が高かったものの、無症候性の新型コロナウイルスキャリアの感度はすべての時点で60%未満だった。このことから、同氏らは無症候性感染者の唾液の感度低下を踏まえ、無症候感染者には唾液PCR法を新型コロナのスクリーニングに使用すべきではないと示唆している。
唾液PCR法は、鼻に綿棒を入れる鼻咽頭スワブよりも、簡単にとれる唾液でPCR検査を行うことで、患者さんの負担が軽く、検体をとる医療従事者の感染リスクも減るために、日本では広く普及しています。しかし、現在日本で増加中の比較的若い患者では、感染しても無症状の可能性が高いことを考えると、日本でも本論文と同じような検証が必要だと思います。
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